スローな無人運転バス、ギリシャで試験運行終える

時速20キロで車線変更できない、でも無事故

2016.04.01
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【動画】近付く未来、無人運転バス
2016年3月までの6カ月の試験運行期間中、ギリシャのトリカラ市民は、無人運転バスに乗るという世界でも珍しい選択肢を与えられた。同市によれば、試験運行中の事故はゼロ。乗客は無料で乗ることができ、バスは一度に最大10人を運べる。(解説は英語です)

 ギリシャの小さな都市で、バス路線の1つを自動運転車が担ってみせた。無人運転のバスが、半年間にわたる実際に乗客を乗せた試験走行を、無事故で終えたのだ。

 バターを手造りしたり、井戸水をくみ上げたりといった作業と同様に、車の運転も「かつて人力で行われていたこと」の一覧に入るかもしれない。自動運転車が今、実用化へと急速に近づいている。(参考記事:「自動運転タクシーで温室効果ガス94%減、米研究」

時速は20キロだけれど

 場所はギリシャ中央部のトリカラ。冒頭の動画には、フランスの共同事業体ロボソフトが開発した自動運転バスがトリカラ市内を走る様子が収められている。定員10人の電気バスは、市内の路線バスというよりも空港を発着するシャトルバスのようだ。

 スピードはいささか遅く、最高速度は時速20キロに抑えられている。また、車線変更もまだできない。走行車線上に車が停まっていれば、バスは停止して待つだけだ。

 だが、同市のディミトリス・パパスタジョー市長は動画の中で、「インターネットも最初は通信が遅く、できることも限られていました」と話す。「こんなものは役に立たないと言われていたのです。その人たちが、今度は自動運転バスに同じことを言っているわけです。気にすることなく、計画を進めていきます」

 バスはトリカラで試験運行を終えた。ロボソフトの無人運転バスが次に走るのは、スペイン北部のサン・セバスチャンだ。トリカラでの半年間が無事故で終わったことで、自動車両の未来に期待が高まった。(参考記事:「ソーラー道路の開発進む、仏は5年で1000kmに」

 加えて、そもそも自動運転バスが街を走れるようになったことが大きな一歩だ。2014年にウィーン道路交通条約が改正されたことで、ロボソフトのバスがヨーロッパで試験運行できるようになっただけでなく、幅広い無人運転車に道が開かれたのだ。(参考記事:「夢の超音速列車ハイパーループ、試作機の段階に」

文=Gabe Bullard/訳=高野夏美

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