太陽系に第9惑星の証拠見つかる

外縁天体の奇妙な動きから米科学者が研究

2016.01.21
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第9惑星を探して

 第9惑星が存在するなら、非常に遠くて暗いため、これまで発見されていなかったとしても不思議ではない。ラフリン氏は、「第9惑星は途方もなく暗いはずです」と言う。彼の計算によると、この惑星に比べれば冥王星は1万倍も明るいという。

 比較的大きい惑星であっても、これだけ遠くなると現在の技術で観測できるような熱特性は持たず、太陽光もほとんど反射しないだろう。見渡すかぎりの星の海から、移動する小さな光の点を見つけ出すためには非常に強力な望遠鏡が必要で、探すべき場所まで分かっている必要がある。

 バイデンを発見したハワイのジェミニ天文台のチャド・トルヒージョ氏氏は、「正確な位置は分かりません。分かっていたら、明日にでも望遠鏡を向けて見つけていますよ」と言う。

 とはいえ科学者にとって、難しいことは挑戦しない理由にはならない。ハワイのすばる望遠鏡などが第9惑星探しに挑む予定で、バティジン氏とブラウン氏はすでに探索に着手している。トルヒージョ氏らも、来月から、研究チームが予想した軌道に沿って惑星を探すつもりだという。(参考記事:日本のエクスプローラー大内正己「すばる望遠鏡との出合い」

「惑星X」との違い

 太陽系外縁部に大きな惑星があると科学者が予想したのは、これが初めてではない。このような主張は100年以上前から繰り返され、そのたびに否定されてきた。

 なかでも有名なのは、パーシバル・ローウェルが1916年に、天王星と海王星の実際の軌道が計算に合わないのは、海王星の軌道の彼方に惑星Xが存在するからだと主張したことだ。ローウェルの確信は強く、10年にわたって惑星Xの探索が行われた結果、ついに1930年に冥王星が発見された。(参考記事:「冥王星“接近通過”をめぐる10の疑問に答える」

 けれども冥王星は小さすぎて、ローウェルの言う「天王星と海王星の軌道の異常」を説明することはできなかった。さらにその後、この「異常」は、未知の惑星の影響ではなく、観測ミスによるものであることが明らかになった。それから86年の間に、新しい惑星について多くの予想が発表されては否定されてきた。けれども今回の予想は違うかもしれない。

 コートダジュール天文台のアレッサンドロ・モルビデリ氏は、「バティジン氏とブラウン氏の論文は、この惑星の存在について初めて説得力のある説明をしたもので、その軌道もかなりよく絞り込まれています。議論は非常にしっかりしています」と言う。

文=Nadia Drake/訳=三枝小夜子

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