ゾウを殺してゾウを保護するという矛盾

ハンティングの収益でゾウを保護するという世界銀行の決定が議論に

2015.07.13
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世界の動き

 米国魚類野生生物局(USFWS)は、スポーツハンティングによるゾウの狩猟記念品のジンバブエおよびタンザニアからの輸入を禁止している。オーストラリアはハンティングによるライオンの輸入を禁止、EUは多数の大型哺乳類の狩猟記念品の輸入に対する規制を強化したばかりだ。

 最近では、航空会社2社(南アフリカ航空とエミレーツ航空)の貨物部門が、ゾウ、サイ、ライオンのスポーツハンティングによる狩猟記念品の禁輸を発表した。

 これで両社は、すでにトラの狩猟記念品を禁じているエールフランス、KLM、シンガポール航空、カンタス航空の仲間入りを果たしたことになる。ルフトハンザ・カーゴは5月31日、ハンティングによる狩猟記念品の輸送を即時停止すると宣言した。ブリティッシュ航空とイベリア航空の貨物部門は、種類を問わず、動物の狩猟記念品を輸送しないことを確認した。

 スポーツハンティングに疑問を抱くIFAWのジェフリー・フロッケン氏は、このように述べている。「ある動物種の最大の価値が死んだ状態の狩猟記念品にあるなら、その種の余命はいくばくもないでしょう。象牙やサイの角のようなパーツの価値が、密猟者からの保護をほぼ不可能にしているのと同じことです」

【参考動画】かわいい! 戯れる赤ちゃんゾウ

かわいらしい赤ちゃんゾウが、群れのなかでじゃれ合い、母親に甘える。米国の野生生物保護協会(WCS)が提供するアフリカの愛らしいゾウたちの96秒動画。1日換算で96頭のゾウが殺されている実態から、同協会は「96 Elephants.org」を立ち上げ、ゾウの保護を訴えている。

文=Adam Cruise/訳=堀込泰三

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