日本は後ろ向き? 各国の温暖化ガス対策を採点

パリで始まるCOP21で、新たな国際枠組みは採択できるのか

2015.11.24
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インド、ウッタル・プラデーシュ州にあるれんが窯で働く人々。ソーラーライトの光が足元を照らす。世界最大級の石炭消費国であるインドは、再生可能エネルギー技術に大規模投資し、太陽光発電を全国民が使える価格まで引き下げようとしている。(Photograph by Ruben Salgado Escudero, National Geographic)
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 ちょうど1年前の2014年11月、中国と米国は、2020年以降の温室効果ガス排出削減目標を公表し、今月末からフランスのパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の地ならしをした。確かに両国が排出する温室効果ガスは全世界の3分の1を占めるが、COP21に参加するのは両国だけではない。気候変動による脅威を食い止めるには、全世界を挙げての取り組みが必要である。(参考記事:「中国CO2削減の意気込み、衛星写真で見えた」

 これまでに150カ国以上が、今後数十年で二酸化炭素(CO2)排出量をいつ、どのように、どの程度削減するかの草案を、国連担当者に提出した。COP21で合意に達すれば、地球温暖化や海洋酸性化、海面上昇の原因である温室効果ガスを削減するための、初の本格的な国際的枠組みとなる。

 では、温室効果ガスの削減にいちばん意欲的、あるいは無関心なのは、どの国か?

 選ぶのは簡単ではない。まず、この削減目標には拘束力がなく、どの国がいつ考えを変えてもかまわない。ただ、できれば国際的な圧力によって、変えづらい状況にはしたい。また、大量排出国が削減すれば、排出量の少ない国よりも直接的な効果が大きくなる。

 加えて、各国の削減目標にはばらつきがある。ブータンをはじめとする一部の国は、追加説明や期日の入ったきわめて詳細な計画を打ち出し、自国の農業や林業、エネルギー産業や運輸システムの再編計画を具体的に説明している。一方、世界最大級の排出国であるロシアが提出したのは、たった3ページのわかりにくい草案で、まったく削減する気はないとも読み取れる。

 比較には細心の注意が必要だ。その国全体の削減量で判断すべきか。それとも、国民1人当たりの削減量で判断すべきか。貧困国の大半は気候変動の主たる原因ではないので、優遇措置を設けるべきか。専門家が実現性が低いと考えた目標は対象とすべきか。

 だが、どの国が称賛に値し、どの国がさらなる努力が必要で、どの国が参加したことに意義があるかについては、気候変動の専門家も同意するだろう。

意欲的な参加国

メキシコ:全世界の温室効果ガス排出量に占める割合は約1.4%だが、2050年までにCO2の排出を半減する。加えて、森林破壊を食い止めるため、伐採の削減や植林も計画し、2030年までに森林破壊をゼロにする。

モロッコ:全世界の温室効果ガス排出量に占める割合は0.25%未満だが、2030年までに排出量の増加を13%未満に抑える。ヒツジやウシの飼育法や農作物の種類を変え、開墾した土地20万ヘクタールを森林に再生する。全発電量の42%を、風力、太陽光、水力発電でまかなう。

インド:3億人が今も電気なしの生活を送るが、世界第3位の温室効果ガス排出国であり、石炭消費量が急速に増えている。だが、2030年までに全発電量の約4割を再生可能エネルギーに切り替える。今後7年間、集中的に投資することで、再生可能エネルギーの価格を下げる。森林再生プランもあり、目標以上の排出削減も可能だとする専門家もいる。(参考記事:「インドの再生可能エネルギー事情」

コスタリカ:全発電量の7割以上が水力発電で、米国で最も小さいロードアイランド州よりもCO2排出量が少ない。それでも、交通渋滞を解消することで、さらに排出量を減らす。排ガスを多く出す旧式車両への課税、電気自動車の普及促進などを検討。加えて、通勤電車敷設の出資者を募り、バスや自転車の専用レーン設置も計画している。

エチオピア:電気を使える国民は16%未満だが、温室効果ガス排出量の増加を半減させながら、開発を進める。化石燃料経済に依存せず、環境に配慮したビルや電気運輸システム、再生可能エネルギーを使って成長することを目標にしている。実現には国際的な経済援助が必要で、確約はされていないが、非常によいプランだと評価する専門家もいる。

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