米国で狭小住宅がブーム?!

サイズは米国の平均的な住宅の7分の1~24分の1、熱狂的なファンが増加

2015.07.27
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新時代のキャンピングカー:耐候性鋼板張りのキャンピングカー風住宅。タンブルウィード社の平屋タイプの中で、床面積はいちばん広い(最大で約67平方メートル)が、けん引許可は不要。普通サイズの寝室と独立したキッチンを備える。(Photograph by Tumbleweed Tiny House Company)
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 住宅メーカー、シアトル・タイニー・ホームズ社の創立者、シャロン・リード氏は、狭小住宅はどの世代にもメリットがあると言う。同社の住宅購入者の半数は、子どもの家の裏庭などで暮らしたいと考える、高齢の親世代だという。

「わが社の顧客が直面している最大の障壁は、建築規制です」。2015年5月、建築業者を前に、リード氏はそう語った。狭小住宅を自宅の敷地内に増築することを法で規制している自治体が多いのだ。

 それでも無理なく買える住宅を提供するために、「アポッドメント」「マイクロロフト」「メトロスイート」「スリーピングルーム」などとも呼ばれる、エコビレッジやミニアパートを認可する自治体が増えている。省エネの浸透している日本やヨーロッパでは当たり前だが、米国でもこうした省エネ住宅がようやく見られるようになってきたのだ。テキサス州スパー市は、「米国初の狭小住宅に優しい町」とアピールしている。

 首都ワシントンD.C.に拠点を置くアーバンランド研究所の最近の報告によると、都市部の流行に敏感な若者も、狭小住宅に関心を寄せるようになっているという。

米国人は、狭小住宅で本当に暮らせるか

 狭小住宅は、それほど新しくも珍しくもない。ヘンリー・デビッド・ソローをはじめとする環境保護活動家たちは、米国の西部開拓時代には当たり前の、ひと部屋しかない小屋で執筆活動を続けた。貧しい国では、粗末な小屋で暮らしながらも、大きな夢を描いている家族はたくさんいる。

 豊かな国では、皮肉にも、無駄を減らそうとしている。量を減らすだけでなく、サイズも小型化しようとしている。余計なものを整理して、シンプルに生きようというわけだ。もっとも、いくら狭小住宅がもてはやされようと、誰にでも実行できるわけではない。

「実際に暮らしたらどうなるかは、他の人には予測できません」。狭小住宅を販売するタンブルウィード社のスタッフ、エラ・ジェンキンス氏は、自身のブログ「リトルイエロードア」にそう書いている。ブログのタイトルは、自分の狭小住宅につけた名前だ。「何事にも100パーセントはありません。広い家に住めば、狭い家の便利さがよかったと思います。狭い家に住めば、広い家の快適さがよかったと思うんです」

 ジェンキンス氏のブログに異を唱えるのが、ローレン・モデリー氏だ。「パートナーがくさいおならをしたら、どこに逃げるの? 部屋の隅に行って、祈るしかないじゃないの?」

 ちなみに、モデリー氏のおならに関する疑問には、「窓を開ければいいんです」という回答が寄せられたという。わずか24平方メートルの狭小住宅に夫婦で暮らす、トリスタン・デービス氏からだ。「すぐ慣れますよ。人間は実によく環境に適応するんです」

海も大地も遊び尽くす家:メリーランド州に暮らすレネ・カントリとグレッグ・カントリ夫妻は、退職後の生活の場として、チェサピーク湾に流れ込む小川のほとりに、約72.5平方メートルの家を建てた。近くには、12メートル級の自前のヨットを停泊している。(Photograph by Mike Morgan, The Washington Post/Getty Images)
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文=Wendy Koch/訳=倉田真木

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