米国当局が漏らした情報が、麻薬密売組織の襲撃を引き起こした。多くの命を奪った惨劇を、当事者たちの証言で再現する。

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メキシコ 虐殺事件の真相

米国当局が漏らした情報が、麻薬密売組織の襲撃を引き起こした。多くの命を奪った惨劇を、当事者たちの証言で再現する。

文=ジンジャー・トンプソン/写真=カーステン・ルース

 メキシコの人口2万3000人の街、アエンデ市。牧畜で栄える静かなこの街が襲撃されたのは2011年3月のことだ。

 世界的に悪名高い麻薬密売組織、セタス・カルテルから送り込まれた殺し屋たちが、アエンデとその周辺の町を破壊した。拉致や殺害の犠牲者はおそらく数百人にも達するとみられている。

 メキシコ当局は事件の後、何年にもわたって中途半端な捜査を繰り返し、犠牲者の特定も完全に終わらないまま、街に慰霊碑を建てた。米国当局は、メキシコに協力して組織のリーダー、トレビーニョ兄弟の逮捕にこぎつけたが、情報の漏洩がこの惨劇を引き起こしたことは認めなかった。そして、住民たちはひたすら口を閉ざした。

 ナショナル ジオグラフィックは1年前、米国の非営利の報道機関「プロパブリカ」と協力し、事件の全容解明に乗り出した。襲撃の矛先となった住民や、命の危険にさらされた関係者に、自らの言葉で語ってもらうためだ。職務を放棄した役人、組織から脅された家族、米国の麻薬取締局に協力した構成員、この事件を担当した米国の検察官など、これまでほぼ公になっていない声を集めた。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年8月号(amazon)でどうぞ。

編集者から

 ナショジオの記事では珍しい、事件の当事者たちの証言を会話仕立てで構成した特集です。殺された犠牲者の家族だけでなく、組織を裏切った内通者や、実質的に虐殺を引き起こしたとされる捜査関係者の声もつづられています。いつもとは違う視点から、麻薬戦争の恐ろしさを考えてみてはいかがでしょうか。(H.O.)

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