特集ダイジェスト

国内ではあまり注目されない日本産の動物も、海外ではエキゾチック。ジョエル・サートレイの写真で彼らの魅力を再発見。

 私はこの日、シンガポール動物園を訪ねていた。日本人になじみの深い動物に会うためだ。

 その動物は「ツンドラの凍った大地」と名づけられた展示館にいるという。大きなプールがある入り口手前の展示スペースでは、ホッキョクグマが水浴びをしている。建物に入る。涼しくて心地いい。外の気温は30℃を超えていたが、館内は年間を通して16~17℃に保たれている。

 入ってすぐ、ガラス張りの広々とした展示室があった。幅は約20メートル、奥行きは5メートルほどだろうか。水場や岩場、砂場などがあり、照明は薄暗い。いたいた。ずんぐりとした体で、忙しそうに歩き回っている。タヌキだ。

 ここでは雄1匹と雌4匹が飼育されている。4年前に動物交換プログラムで石川県能美市のいしかわ動物園からやって来た。シンガポール側からは、世界三大珍獣として知られるコビトカバのオス1匹が送られた。数が違うとはいえ、タヌキが希少な動物と同等の価値を認められたとは、何とも不思議な気もする。しかし、世界的に見れば、タヌキは日本を含む東アジアの一角だけに生息する珍しい動物なのだ。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2017年8月号(amazon)でどうぞ。

編集者から

 写真家ジョエル・サートレイがライフワークとして進めるPhoto Arkの作品を見ていて、日本が原産の動物たちがいるのに気づきました。この動物たちを日本の読者に見てもらうにはどうすればいいだろう、そう考えて企画したのがこの特集です。私たちは身近にいる動物たちをじっくりと見てみたことがあるでしょうか? 動物園では、外国産の動物ばかりがもてはやされて、日本の動物たちはあまり注目されないように思います。でも、海外の動物園では、日本の動物たちもけっこう人気者だったりします。そんな日本産の動物たちを再発見してもらうきっかけになればうれしいです。(S.O.)

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