- AUGUST 2016 -

美女に狙いを定めて

 これは1916年に、米国コネティカット州ニューヘブンにある銃器メーカーの作業風景を撮った一枚だ。「米国西部を征服した銃」と呼ばれるウィンチェスターM1873の製造元として知られる会社だが、当時は第一次世界大戦のまっただ中。銃の需要が高まり、前年には、英国軍に約25万丁、ロシア軍に約30万丁もの大量の銃を納めていた。


 作業員たちは室内の試験場にこもり、照準器をのぞいて1丁ずつ調整している。ルーペで見てみると、その先の壁には、納期を示すカレンダーと美女の写真が貼られていた。これでやる気を高めていたのだろう。


 1917年4月には米国も参戦し、米兵たちの間では同社も生産に加わったM1917エンフィールドが広く使われたようだ。室内で銃をテストしていた作業員たちも、その頃には戦場で実弾を撃っていたかもしれない。


――イブ・コナント

写真=NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE