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- 2016年8月号
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蚊と人間の終わりなき戦い
ジカ熱やデング熱、マラリアなどの感染症を媒介する蚊。地球上で最も危険な生物ともいえるこの虫と、人間はどう戦えばいいのか。
手のひらでたたき潰す、殺虫剤のスプレーを浴びせる、実験室で放射線を照射したりDNAを操作したりする…。人類があらゆる手段を使って蚊を撲滅しようとしているのは、蚊が恐ろしい病気を媒介することを100年以上も前から知っているからだ。
最近、特に注目されているのはジカ熱(ジカウイルス感染症)だが、マラリアによる死者だけでも年間40万人を超え、黄熱やデング熱による死者も数えきれない。子どもの親指の爪より小さいこの虫は、昔も今も、人間以外の動物のなかで最も危険な存在となっている。
にもかかわらず、人間はいまだに蚊を撲滅する究極の方法を編み出せずにいる。これまでに確認されている3500種の蚊のうち、人間の血を吸う「吸血鬼」といえるのは、ジカウイルスを媒介するネッタイシマカ(学名Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)を含めて数百種にすぎない。とりわけネッタイシマカの攻撃力は、尋常ではないことがわかっている。
※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年8月号でどうぞ。