男女の分離が厳しく、人前で顔を見せることもできないサウジアラビアの女性たち。だが社会の変化の後押しで、一歩ずつ自分たちの道を歩み始めている。

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サウジアラビア ベールを脱ぐ女性たち

男女の分離が厳しく、人前で顔を見せることもできないサウジアラビアの女性たち。だが社会の変化の後押しで、一歩ずつ自分たちの道を歩み始めている。

文=シンシア・ゴーニー/写真=リンジー・アダリオ

 サウジアラビアでは、女性は見知らぬ男性の前では顔を見せることもできない。女性の姿を一族以外の男性の目に触れさせないという決まりは、外国人を戸惑わせ、不快にさせるだけでなく、サウジアラビアの女性たちにも時に面倒な対応を迫っている。

「男性立ち入り禁止エリア」の設置は職場の義務

 男女が一緒に働く職場はどこも、女性がくつろげる、男性立ち入り禁止エリアを設けることが義務づけられている。この「くつろげる」という言葉を、私は何人もの女性から、何度も聞かされた。
 私はこう質問した。「教えて。女性専用の場所だとくつろげるのはなぜ?」

 女性たちのほぼ全員が、伝統や社会的な圧力、強い信仰心や一族への忠誠心、そして、何よりも品位を重んじる自国の文化を引き合いに出した。女性の名誉が守られていること、つまり、既婚女性の場合は、貞淑で隠し事をしないこと、未婚女性の場合は、慎み深く処女であることが、今も絶対の条件なのだ。

 顔を隠すことについて、32歳になるヌーフ・ハサンは「私たちにとっては別に不可解なことではないの」と言う。この国の社会には今も、さまざまな形で部族的な考え方が浸透している。女性も男性も、周囲の人間が自分たちをじっと見て、彼らの一族の“格式”についてあれこれ推測し、批判しているのを感じるのだ。「問題は、ほかの人にどう見られているかってこと」と、ヌーフは言った。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年2月号でどうぞ。

編集者から

 サウジアラビアの女性の暮らしは窮屈そうなイメージがありましたが、この特集を読んで、少し見方が変わったような気がします。もちろん、男性から下に見られるといった悪しき事例は多々あると思いますが、意外にも女性たちが冷静にこの慣習をとらえているんですよね。
 また、女性用の商品を扱うお店には、男性が一人で入れないケースもあるようです。そこで素朴な疑問なのですが、彼女や奥さんに何かプレゼントをするとき、サウジの男性はどうするんでしょうか? ランジェリー売り場の入り口から、お店の人にサイズや色を叫んでいたりしたら、ちょっと引いてしまいそうなんですが…。現地に詳しい方、ぜひ「読者の声」まで情報をお寄せください。(編集H.O)

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