- MAY 2015 -
命知らずな見物
1927年7月8日、カナダ南西部の町バルカンに巨大竜巻が現れた。発生時には、通りはやじ馬でいっぱいだったという。写真をルーペでのぞくと、帽子をかぶった2人の男性がのんきに見物している姿も見える。あまりに無謀なようにも思えるが、地元紙『ヘラルド・バルカン』はその理由をこう記している。「恐怖よりも好奇心。人々がパニックに陥らなかったのは、多くがこうした自然の脅威を目にしたことがなかったから。いかに危険か、わからなかったのだろう」
人的被害はなかったものの、たくさんの建物が破壊された。やじ馬たちも後になって、さすがに自分たちの運の良さに気づいたはずだ。
――マーガレット・G・ザコウィッツ
写真=MCDERMID PHOTO LABORATORIES/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE