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日本の百年

- DECEMBER 2015 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

流氷の海辺でエゾシカに出会う

 写真家のティム・レイマンはその朝、知床半島の海岸にいた。流氷の漂うオホーツク海の風景を撮っていると、思いがけず、数頭のエゾシカが海辺を歩いてきた。「これはいいぞ、と思いました」


 世界的な自然写真家として活躍を続けるレイマンは、実は米ハーバード大学で博士号を取得した生物学者でもある。「生息環境の中で、自然のままにふるまう生き物たちの姿をとらえるのが好きなんです」。やがて2頭のシカが歩み寄り、あいさつでもするように、鼻づらをそっと触れ合わせた。「ほんの一瞬の出来事でした。夢中でシャッターを切りましたよ」


 父親の仕事の関係で、18歳まで東京や佐世保、神戸などで過ごしたレイマンにとって、日本はいわば第二の故郷。2003年1月号の特集「日本の冬の野生動物」は念願の企画だった。「冬の魅力は、清らかな美しさ。日本の自然の素晴らしさを世界に伝えたくて、この季節を選びました」


 取材では長野県、岩手県、北海道を駆け回り、地獄谷のニホンザルや屈斜路湖のオオハクチョウなどを撮影した。なかでも一番のお気に入りは、釧路湿原のタンチョウだという。「早朝、幻想的な川霧の中で動き始める姿や、雪の中でつがいが鳴き交わす光景など、忘れがたい瞬間がいくつもありました」


写真=TIM LAMAN/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE

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