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日本の百年

- MAY 2015 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

築地・魚河岸 食堂の取材で大失敗

「ターレット」と呼ばれる小型トラックや台車が忙しく行き交う、活気に満ちた東京の築地市場。1995年11月号に掲載された一枚だ。同じ号の「世界の漁業が危うい」と題した36ページの大型特集で、ナショジオは各地の海に起きている異変をいち早くレポート。水産資源の減少に警鐘を鳴らした。その関連記事として、水産物の取り扱い規模が世界最大級の築地市場を取材し、巨大市場で働く人々の横顔を伝えたものだ。


 撮影を担当したジェームズ・L・スタンフィールドは、ナショジオのスタッフ歴27年の大ベテランだったが、このとき「写真家人生で最もばつの悪い思いをした」と打ち明ける。市場の関係者でにぎわう小さな食堂で、天井のパイプに遠隔操作のカメラをセットした後、脚立を下りようとして、カウンターの上にあった大きなボウルをひっくり返してしまったのだ。中身はサバの味噌煮、およそ1万円分。必死に片づけ、もちろん弁償もしたが、気まずいこと、この上ない。「写真が無事に撮れていたのがせめてもの救いだった」


 1935(昭和10)年から東京の胃袋を支えてきた築地市場だが、昔ながらのたたずまいが見られるのもあとわずか。移転計画が進行中で、2016年11月には豊洲新市場の開場が予定されている。


写真=JAMES L. STANFIELD/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE

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