- APRIL 2015 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

京都で見つけた 桜を愛でる日本の心

 ぼんぼりの灯が、満開の桜を優しく照らす。奥の茶屋からは花見の宴を楽しむ人々のさざめきが聞こえてきそうだ。2013年3月号「夜の庭園散歩」は世界の庭園をめぐる一風変わった特集で、趣向を凝らした大富豪の庭や、画家のモネが愛した花の庭のほか、京都から高台寺の竹林と、この平野神社の夜桜が登場した。


 写真家のダイアン・クックとレン・ジェンシェルは「月の下で花や草木や石の表情を楽しみ、詩を詠み、酒を酌み交わす……。夜の庭園を愛でる世界の多様な文化を表現したかった」と語る。もともとは個人的なプロジェクトとして二人がそれぞれ白黒とカラーで撮影していたが、編集者が集まるセミナーの席上で紹介したところ喝采を浴び、特集の企画に採用された。


 1983年に結婚した後もしばらくは別々に撮影活動をしていたが、ある時、自分たちの美的感覚が似通っていることに気づいて共同制作を始めた。「撮影を通じて対話し、アイデアを深め、互いを補い合っている」という二人。独特の詩情をたたえた作品が多いが、堅苦しそうなイメージの環境分野や政治的な題材など、意外なところに美を見つけ出すアプローチにも手応えを感じるという。現在は「木と人のつながり」をテーマに、日本も含め世界各地で撮影を進めている。


写真=DIANE COOK, LEN JENSHEL/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE