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アフガニスタンで発見された仏教遺跡「メス・アイナク」。仏教と産業の関係を物語る貴重な遺産が、銅鉱山の開発によって消滅の危機にさらされている。

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アフガニスタン 消滅の淵にある仏教遺跡

アフガニスタンで発見された仏教遺跡「メス・アイナク」。仏教と産業の関係を物語る貴重な遺産が、銅鉱山の開発によって消滅の危機にさらされている。

文=ハンナ・ブロック/写真=サイモン・ノーフォーク

 アフガニスタン東部の仏教遺跡「メス・アイナク」の周囲には100カ所以上の検問所が設けられ、約1700人の警察官が24時間体制で警備に当たっている。

 厳重な警備体制の理由は、遺跡そのものではない。遺跡の地下に長さ4キロ、幅1.5キロ以上もある銅の鉱床が眠っているのだ。未開発の鉱床としては世界最大級の規模で、銅の埋蔵量は1140万トンと推定されている。「ささやかな銅の源」を意味するメス・アイナクという呼び名は、いささか控えめすぎると感じられる。

中国企業が銅鉱山の採掘権を獲得

 2007年、北京に拠点を置く資源開発企業の中国冶金科工集団(MCC)が、この鉱山の採掘権を30年契約で獲得した。MCCは採掘権の取得に30億ドル(約3600億円)以上を支払い、さらにこの辺境の地に道路や鉄道、発電所といったインフラを整備すると約束した。

 ところが現在、鉱山の開発はさまざまな脅威に阻まれて進んでいない。
 中国の技術者たちのために建てられた青い屋根の建物は、2012年から13年にかけて相次いでロケット砲の攻撃を受けた後、放置された状態が続いているし、1980年代に旧ソ連軍が残していった地雷や、近年、タリバンやアルカイダなどの武装組織が仕掛けた爆破装置も脅威となっている。2014年には、地雷除去の専門家8人がタリバンによって殺害される事件も起きた。

 こうした治安上の問題に加え、一帯には鉄道もないし、深刻な水不足にも悩まされている。2012年に開始予定だった鉱山開発がまだ始まっていないのも、当然のことだろう。2013年、MCCはアフガニスタン政府が提示していた契約条件に不服を唱えるようになったが、両者の交渉はまだ再開していない。少なくとも2018年までは、銅の採掘が始まることはなさそうだ。鉱山開発で失われる前に調査を進めようと、ここでは7年前から、考古学者たちが地元の作業員を率いて発掘作業を進めてきた。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2015年9月号でどうぞ。

編集者から

 今回の特集で紹介している遺跡からの出土品はどれも保存状態が良く素晴らしいものですが、私が特に気になって何度も見てしまったのは、僧院の支援者だったという人々の彫像です。今にもしゃべりだしそうな、生き生きとした表情が印象的でした。
 かつて銅鉱山によって栄えた仏教遺跡が、鉱山開発によって消滅の危機に立たされるというのはなんとも皮肉な話です。メス・アイナクの鉱山開発は少なくとも2018年までは始まりそうにないとのことですが、このまま開発が遅れて、貴重な遺物がより多く発掘されてほしいと感じる一方、この銅鉱山が生み出すであろう多くの雇用や経済効果によって、現地の人々の暮らしが少しでも改善されるといいなと思う部分もあり、複雑な気持ちです。(編集M.N)

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