巨額の鉱物資源が眠るインド東部のジャングルで、「ナクサライト」と呼ばれる反政府勢力が闘争を続けている。炭鉱は、彼らの重要な資金源となっている。

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インドの極左過激派 終わりない反乱

巨額の鉱物資源が眠るインド東部のジャングルで、「ナクサライト」と呼ばれる反政府勢力が闘争を続けている。炭鉱は、彼らの重要な資金源となっている。

文=アンソニー・ロイド/写真=リンジー・アダリオ

 中国共産党の指導者、毛沢東がこの世を去ったのはずいぶん昔のことだ。だが「ナクサライト」は過去の遺物として風化するどころか、今も毛派の名のもとで戦闘と殺戮を続けている。

 ナクサライトはインド共産党毛沢東主義派(マオイスト)の反政府勢力で、インド国内で最も長期化し、泥沼化した武力闘争を主導してきた。数十年に及ぶ闘争で、今やカシミール紛争を上回る犠牲者が出ている。前首相マンモハン・シンは、この闘いを「インド国内の安全を脅かす最大の脅威」と評した。

 なぜ彼らは生き残り、闘争を続けているのか。その背景には開発とグローバル化する経済があり、鉱物資源や土地の権利をめぐる摩擦が密接に関係している。

インド屈指の貧しい州に眠る莫大な鉱物資源

 ナクサライトはこの国の未来を左右しかねない重要な鍵を握っている。ナクサライトが反政府活動の拠点とする地域には、国内屈指の規模で莫大な鉱物資源が眠っているのだ。ナレンドラ・モディ首相は、停滞するインド経済の再生を目標に掲げ、いまだ電気のない生活をしている約3億人の国民に電力を届けることを目指しているが、この計画の実現には天然資源が欠かせない。

 闘争の舞台は東部のジャルカンド州とチャッティスガル州。いずれの州も鉱物資源が豊富で、インド国内の石炭埋蔵量の40%以上が集中している。さらに鉄鉱石や石灰石、ドロマイト、ボーキサイトなどの鉱床もあり、その価値は数百兆円規模にのぼる。石炭による火力発電は、遠く離れた大都市に灯をともし、鉄は現代的なビルやハイテク工業団地の建設、自動車の製造、土木プロジェクトの実現を可能にしてくれる。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2015年7月号でどうぞ。

編集者から

 インドは北部の首都ニューデリーにだけ行ったことがあります。尋常ではない頻度でだまされたり、熱中症になりかけて頭がもうろうとしたり、強力なウイルス性胃腸炎になって歩けなくなったりした記憶しかなく…。個人的にあまりよい印象がなかったのですが、今回の特集を読んで、東部の人々が心配になりました。(編集M.N)

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