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好奇心旺盛で社会性に富むイルカは、その進化の過程で大きく複雑な脳を発達させてきた。いつの日か、彼らと「会話」できる日が来るかもしれない。

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イルカと話せる日は来るか

好奇心旺盛で社会性に富むイルカは、その進化の過程で大きく複雑な脳を発達させてきた。いつの日か、彼らと「会話」できる日が来るかもしれない。

文=ジョシュア・フォア/写真=ブライアン・スケリー

 その男、ジョン・リリーは米国立精神衛生研究所に勤めていた風変わりな神経生理学者で、1950年代にイルカの研究を始めた。彼はイルカを「海にすむ人間」と呼び、彼らが言語をもつと仮定した最初の科学者だ。

 科学支援団体の助成を受けたリリーは、カリブ海の米領バージン諸島にイルカの研究所を開設。「ピーター」という名のイルカに英語を教えようとした。1960年代に入るとリリーの実験は徐々に常軌を逸し、ついにイルカに幻覚剤LSDを注射するまでになる。やがて資金は底をつき、研究の信頼性も失われていった。

人工言語を学んだイルカたち

 リリーの実験以来、研究者の間で「イルカ語」はタブー視されてきた。だが1970年、米ハワイ大学の心理学者ルイス・ハーマンが、ホノルルにケワロ湾海洋哺乳類研究所を設立した。「イルカの認知能力を明らかにするために、イルカを教育しようと思ったのです」と語るのは、ハワイ大学ヒロ校のアダム・パックだ。

 パックはケワロ湾海洋哺乳類研究所で21年間研究を続けてきた。
「私たちは、人間の子どもと同じようにイルカを育てました」

 彼らは「フェニックス」と「アケアカマイ」という名のハンドウイルカを飼育した。2頭は常に教育的な刺激を与えられ、人工言語を使って訓練を施された。音や手信号を、物や行動、修飾語と結びつけて教え込んだのだ。2003~04年に2頭が亡くなると、イルカの認知能力を専門に研究する世界で唯一の研究所は閉鎖され、大きな疑問が残された。2頭のイルカはなぜ、たやすく言語を習得できたのか?

 イルカの発声の基本単位や構造についてはまだ何もわかっていないが、最新の技術を駆使した研究が、ようやく始まったところだ。ここ10年ほどの間に水中録音機でイルカの発する高周波音を記録できるようになり、数年前にはそれらを解析できるアルゴリズムが登場した。イルカのコミュニケーションを解き明かそうとする科学者たちの挑戦は今、新たな段階を迎えつつある。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2015年5月号でどうぞ。

編集者から

 4月上旬、茨城県鉾田市の海岸にイルカの仲間が大量に打ち上げられました。こうした「集団座礁」が発生するのは、イルカが並々ならぬ団結力をもっているからだと、今回の記事でも紹介されています。集団座礁の原因については諸説あり、まだ完全に解明されていないようですが、病気の仲間の後を追って浅瀬に向かうケースもあるそうです。社会性の高いイルカだからこそ起きる、痛ましい事故ですね。(編集M.N)

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