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日本の百年

- OCTOBER 2019 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

絶滅危惧種になった“白いワニ”

「最初見たときは怖かった。吸血鬼がにやりと笑って城に手招きするように、サメはゆっくりとこちらに近づいてきた」。1981(昭和56)年8月号のサメ特集にそう書いたのは、「シャーク・レディー」の異名をもつ米国の著名な海洋生物学者、ユージェニー・クラークだ。


 小笠原諸島にある聟島(むこじま)列島の北之島沖で、クラークは水中写真の第一人者、デビッド・デュビレらとともに2時間近く海中の洞窟にとどまり、写真で鋭い歯を見せている大型のサメ、シロワニを観察した。最初は人間たちを気にしていたシロワニも、やがてよそ者の存在を受け入れ、カメラのフラッシュを浴びても、いら立つことはなかったという。


 シロワニは世界中の暖かい海域に生息し、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは危急種に指定されている。ただ、現在の日本では、小笠原諸島でしか確認されていない。分布が限られているうえ、産む子の数が少なく、個体数のさらなる減少が懸念されることから、環境省は2017年の海洋生物レッドリストで、シロワニを近い将来に野生絶滅の危険性が高い「絶滅危惧ⅠB類」に指定した。シロワニの名称は、古来サメのことを「ワニ」とも呼んできた名残だ。

写真:DAVID DOUBILET

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