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日本の百年

- AUGUST 2019 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

英国人写真家、阿蘇山で手痛いミス

 もうもうと噴煙を上げているのは、熊本県にそびえる日本最大級の活火山、阿蘇山。1923(大正12)年10月号に掲載された一枚だ。


 今も活発な火山活動が続く阿蘇山だが、その外輪山に囲まれた巨大な盆地「阿蘇カルデラ」をつくった約27万~ 9万年前の火山活動は、想像をはるかに超える規模だった。特に9万年前には、火砕流が海を越えて島原半島や山口県にまで達し、火山灰は北海道東部でも10センチ以上降り積もって、日本列島をほぼ覆い尽くしたという。


 20世紀初めに阿蘇を撮影して歩いた英国人写真家ハーバート・G・ポンティングにも、巨大火山はひそかに被害をもたらした。ポンティングは2種類の感光板を使っていたが、そのうち「アイソクロマチック(整色性)」と呼ばれる感光板が火山ガスにさらされ、「二度とめぐり逢えないようなすばらしい被写体」を記録した写真が、しみだらけになっていたのだ。


 ポンティングはこの失敗を著書『英国人写真家の見た明治日本』(長岡祥三訳)に記し、写真愛好家に教訓として伝えている。幸い、もう1種類の通常の感光板は無事だった。そのおかげで、100年以上前の阿蘇の威容をこうして現代の私たちも見ることができる。

写真:HERBERT G. PONTING

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