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日本の百年

- JUNE 2019 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

3度の災禍を乗り越えた「不死鳥の街」

 1948(昭和23)年6月28日夕刻、福井平野の直下を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生した。福井市では当時の震度階級で最大だった震度6の猛烈な揺れに襲われ、次々に建物が倒壊し、各所で火の手が上がって、家屋の8割以上が全壊した。犠牲者は被災地全体で3769人。福井地震は現在でも、戦後3番目の規模の震災となっている。


 一瞬にしてがれきと化した福井市では、市役所の掲示板に見入る人たちの姿もあった。行方不明の家族や親戚の安否情報を探しているのだろうか。下駄(げた)履きで自転車にまたがった男性、その場にじっと立つ少年と女性。被災した市民が抱えていた不安な気持ちを伝える一枚だ。


 福井市はその3年前の1945年7月19日に空襲で焼け野原になり、戦災からの復興を目指していたところに大地震が起きた。さらに地震の1カ月後には、豪雨で九頭竜川の堤防が決壊して、市内は水浸しになった。


 戦災、震災、水害と、3年間で3度の災禍を被ったにもかかわらず、福井市はもともと戦災からの復興計画を進めていたこともあって、震災や水害からの立ち直りも早かった。地震から4年後の1952年には、街の復興ぶりを全国に紹介する博覧会を大々的に開催した。その会場の正面を飾った「不死鳥」は、今も福井市のシンボルになっている。

写真:GILBERT GROSVENOR COVILLE

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