明治の荒川堤を彩った桜

英語版1911年11月号より

2022.03.30
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ナショナル ジオグラフィック英語版1911年11月号より(白黒写真に手で彩色)(写真:WILLIAM W. CHAPIN)
ナショナル ジオグラフィック英語版1911年11月号より(白黒写真に手で彩色)(写真:WILLIAM W. CHAPIN)
[画像のクリックで拡大表示]

 1911(明治44)年11月号に掲載されたこの写真は、東京の荒川堤にあった桜の名所。さまざまな色や品種の桜を楽しめたことから「五色桜」の名で親しまれた。「花見の人波は絶えず、皆われを忘れたように桜の美しさに酔っている」との描写が、当時のにぎわいを伝えている。

 1912年には、この五色桜を接ぎ木した3000本余りの苗木が米国の首都ワシントンに寄贈された。荒川堤の桜は大気汚染や戦禍の影響で戦後まもなく姿を消したが、遠い異国の地で咲き続けた。81年にはワシントンに渡った桜の“ 里帰り”が実現し、その苗木が東京・足立区内の公園に植えられた。現在の荒川堤では、平成時代に植栽された新たな五色桜が根を下ろし、大勢の人でにぎわう日の到来を待っている。

おすすめ関連書籍

2022年4月号

南米ギアナ高地 最後の秘境へ/海底の奴隷船を探して/ガーナ 海に生きる人々/不思議なタツノオトシゴ/美しい鳴き声ゆえに

35年にわたり新種を探してきた79歳の研究者が、南米ガイアナの密林で最後の調査に挑戦。彼が目指したのは人を寄せつけない断崖絶壁でした。特集「南米ギアナ高地 最後の秘境へ」で詳しくレポートします。このほか、「海底の奴隷船を探して」「不思議なタツノオトシゴ」など5本の特集をお届けします。

定価:1,210円(税込)

おすすめ関連書籍

プロの撮り方 完全マスター 新装版

多くの写真家に撮影の教科書として使われているベストセラーを、手に取りやすい普及版にして発売!

定価:3,410円(税込)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加