ナショナル ジオグラフィック英語版1924年4月号より。写真:OSAKA MAINICHI SHIMBUN
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 1914(大正3)年1月12日午前10時すぎ、鹿児島県の桜島で西の山腹から黒い噴煙が上がり、大根やミカンの畑を覆い尽くした。その10分後には、東の山腹からも噴煙が空高く舞い上がった。「大正大噴火」の始まりだ。写真は噴火3日目に現地入りした調査隊が島から離れる場面。1924年4月号の特集「桜島、日本最大級の火山噴火」に掲載された。

 西山腹から出た溶岩流は海に達し、およそ500メートル沖合にあった烏島(からすじま)をのみ込んだ。一方、東山腹から流れ出た溶岩は、幅約400メートルの瀬戸海峡を埋めながら、1月末頃に対岸の大隅半島に到達した。このとき桜島は島ではなくなった。

 特集の筆者T・A・ジャガーは米ハワイ火山観測所の所長で、噴火からまもない1914年2月に桜島を訪れ、赤く輝く溶岩が「時速30メートルほど」で流れているのを目撃した。2月19日には手こぎ舟で大隅半島の沖に出た。立ちのぼる湯気のなか、溶岩流の近くで測った海水温は約59℃。「ここで転覆したら死ぬだろう」とジャガーは伝えている。

この記事はナショナル ジオグラフィック日本版2021年4月号に掲載されたものです。

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