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日本の百年

- DECEMBER 2018 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

危険と背中合わせのタラバガニ漁

 ここは北海道東部の根室港。1960(昭和35)年12月号に掲載された一枚で、「漁船は危険を冒して、ロシアの警備艇が巡回する海域の近くまでタラバガニを捕りにいく」と写真の説明にある。


 記者のフランク・ショアたち取材班は無謀にも、カニ漁船に同乗して千島列島近海の漁場まで行こうと考えた。しかし「漁船が拿捕(だほ)されたら、ロシアはあなたたちを米国のスパイ扱いしますよ」と、海上保安庁の職員に止められる。極寒の樺太に抑留された自分たちの姿が頭をよぎり、取材班はあえなく乗船を断念した。海上保安庁の統計を調べてみると、旧ソ連側に拿捕された日本船舶の数は1950年代にとりわけ多く、その10年間だけで700隻をゆうに超える。職員の忠告はもっともだ。


 その後、ショアは2カ月前から消息不明になっているタラ漁船の船長の妻に話を聞いた。船が拿捕された可能性が高いという。「3人の息子には父親が必要です。早く戻ってきてほしい」と妻は訴えた。取材を終えて帰る道すがら、どこかの時計台が午後10時を告げ、ドボルザーク作曲の「遠き山に日は落ちて」のメロディーを流すのを聞いた。家に帰る時間だ。船長も家に帰ってこられるよう、ショアは願った。


写真:FRANC SHOR/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE

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