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日本の百年

- NOVEMBER -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

三輪消防車と「赤とんぼ」

 赤いオート三輪の後ろで、ランニング姿の男性がホースから放水している。車体にはGIANTの文字、後部には鐘とサイレンのようなものが見える。これは「ヂャイアント」というブランドの三輪消防車。名古屋の工場で「45メートル先まで放水し、工場の試験に合格した」と、1950(昭和25)年5月号の特集「自由への道を歩む日本」で紹介された。


 四輪の消防車よりも安価で、狭い道にも入っていける便利さが、オート三輪の消防ポンプ車にはあった。そのルーツを探ってみると、意外な人物の存在が浮かび上がってきた。「赤とんぼ」などで知られる作曲家の山田耕筰が、1923(大正12)年の関東大震災による火災の惨状に驚き、小回りの利く消防車の開発に乗り出したのだ。機械に詳しい兄とともに輸入オートバイを改造して、消防ポンプを備えた三輪自動車を製作した。25年8月26日の大阪時事新報は、蝶ネクタイ姿の山田がそのハンドルを握る写真を載せ、東京・上野公園の不忍池で同月24日に実施した試験で「百尺(約30メートル)以上の放水に成功」したと報じている。


 山田兄弟の発明に触発されたのか、三輪消防車は昭和に入って普及し、戦後もしばらくは日本各地で活躍していた。


写真: J. BAYLOR ROBERTS

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