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日本の百年

- OCTOBER 2018 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

正直者が支えた、道端の無人販売所

 道端に立てた棒に、何足かのわらじと竹筒がぶら下がっている。明治時代に佐賀県の有田周辺で撮影された無人販売所だ。「通りかかった旅人が自分で新しいわらじを選び、竹筒に小銭を入れる。古い笠は商品の雨よけだ」と、1908(明治41)年3月号で紹介されている。


 江戸時代、東北地方の米沢近郊では、道の脇に立てた棒や杭(くい)に野菜やわらじをつるして売る「棒杭の商い」があった。店主がいなくても、誰もがきちんと代金を払い、商品を盗む者はいなかったと伝えられている。このエピソードは米沢藩の名君、上杉鷹山(ようざん)の財政再建が人々の心までよみがえらせた証しとして、童門冬二の『小説 上杉鷹山』に描かれた。


 今でも農村部には、屋台に野菜や果物を並べた無人販売所がある。正直者の心は現代の日本人にも受け継がれているだろうか。


写真:ELIZA R. SCIDMORE/HARPER BROS.

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