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日本の百年

- SEPTEMBER 2018 -

ナショナル ジオグラフィック協会 写真資料室から

米国へ送られたクジラの頭骨

 ワイヤーでつり下げられた巨大な物体は、シロナガスクジラの頭骨。1911(明治44)年5月号の特集「沿岸捕鯨」に掲載された写真で、「日本からアメリカ自然史博物館に送られた」との説明が添えられている。


 撮影したのは、米国の博物学者ロイ・チャップマン・アンドリュース。中国やモンゴルでの恐竜調査でよく知られた探検家でもあるが、それに先立つ1910年には鯨類調査のために日本を訪れている。和歌山県の紀伊大島や宮城県の鮎川でクジラやイルカの標本を収集する傍ら、捕鯨の手順を事細かに観察した。「解体作業ではヨーロッパの手法から最良の部分を取り入れつつ、自分たちの経験を大いに生かしている」。その報告は数百点の写真とともに、当時の捕鯨の姿を伝える貴重な記録だ。


 調査日誌などの資料から、この写真は1910年4月に紀伊大島で撮影されたと思われる。アンドリュースの鯨類調査を研究する東京農業大学の宇仁義和さんは、ニューヨーク市にある同博物館の収蔵庫を2013年に訪れ、標本番号を手がかりにこの頭骨標本を実際に見たという。「残念ながら損傷が激しく、原形をとどめていませんでした」


写真:ROY CHAPMAN ANDREWS

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