文=Andrea Leitch/訳=ルーバー荒井ハンナ
いつか行きたい欧州の名城10選ギャラリー
ドイツ、バイエルンのノイシュバンシュタイン城
ディズニーランドにある「眠れる森の美女の城」のモデルになるはるか昔、ノイシュバンシュタイン城はバイエルン国王ルートビッヒ2世の現実逃避の場所だった。王は、国の財政のほとんどを複数の城の建設に注ぎ込んでいたが、その中で最も人気の城が、年間100万人以上の観光客が訪れるこのノイシュバンシュタイン城である。元々の計画では200室以上の部屋が作られるはずだったが、実際に完成したのは14部屋のみ。(PHOTOGRAPH BY RUDY BALASKO, GETTY IMAGES)
ルーマニア、ブラショフのブラン城
トランシルバニアの山々に守られた霧深いブラン城は、ドラキュラの城という誤った情報が広まってしまったが、「ドラキュラ」の作者ブラム・ストーカーは一度もここを訪れたことはない。それでも、ほの暗い明りに照らされた回廊は文学愛好家や怖いもの見たさの観光客を引き付けてやまず、城ではツアーや年に一度のハロウィンパーティが開催されている。(PHOTOGRAPH BY JEREMY WOODHOUSE, GETTY IMAGES)
フランス、ロワール・エ・シェールのシャンボール城
絢爛豪華なフランス・ルネサンスを代表する傑作。多くの城が集まるロワール渓谷で最大のシャンボール城は、1519年にフランソワ1世が王室のための狩りの館として建てさせたものだが、人が住んだことはほとんどない。左右対称の設計で、全440部屋のうち100部屋と、階段が一般公開されている。なかには、レオナルド・ダ・ヴィンチがデザインしたとされる2重らせん階段もある。54平方キロの庭園には、ハイキングやサイクリング用トレイルがあり、ボートのレンタルや、普段は立ち入り禁止の自然区域へ四輪駆動車で行けるガイド付きツアーなども体験できる。(PHOTOGRAPH BY CHICUREL ARNAUD, GETTY IMAGES)
ポーランドのモシュナ城
ティール・ウィンクラー家がかつて住んでいたモシュナ城は、17世紀に建てられた当初はバロック様式だったが、後にネオゴシックとネオルネサンス様式の別棟が付け加えられた。夜、ラプンツェルが閉じ込められていそうな99本の塔と窓に明かりがともされ、外の池にその明かりが映ると、「ハリー・ポッター」のホグワーツ城にやってきたような気分にとらわれる。第2次大戦後はソ連軍が拠点を置いていたが、現在は観光客に公開され、絵画の展示会や音楽会なども催される。部屋数365室。(PHOTOGRAPH BY PETER HIRTH, LAIF/REDUX)
イギリス、ケント州のリーズ城
湖の真ん中に浮かぶ2つの島に建てられたリーズ城は、荘厳でロマンチック。まさに「むかしむかし、あるところに」で始まる経験ができそうだ。ヘンリー1世の治世に建てられ、ほぼ900年の間王室の居城として使われてきた。中世の6人の女王も住んでいたことから、「貴婦人の城」と呼ばれている。敷地面積2平方キロの城は1974年に初めて一般公開され、現在は年間を通して文化的催しが開かれている。3つのレストランと朝食付きホテルが入り、イチイの木の迷路や鷹狩りのデモンストレーションが楽しめる。(PHOTOGRAPH BY TJS11/GETTY IMAGES)
チェコ、プラハのプラハ城
面積7万平方メートル(アメリカンフットボール場7個分)に、庭園、中庭、通路、歴史的建造物を有する、城の複合体としては世界最大級のプラハ城。歴代のチェコの王と女王の戴冠式が行われたゴシック様式の聖ヴィート大聖堂も、この敷地内にある。9世紀にボヘミア公ボジヴォイ1世がここに要塞を築いて以来、王国の中枢を担い、また後の時代には国の元首の公邸として使用されてきた。(PHOTOGRAPH BY PETER HIRTH, LAIF/REDUX)

ポルトガル、シントラのペーナ宮殿
ポルトガルの夢の城ペーナ宮殿は、赤と黄色に輝いてシントラの町にそびえ立ち、晴れた日には遠く離れたリスボンからも眺めることができる。ユネスコの世界遺産登録地。中世にペーナの聖母教会が建てられ、1800年代半ばにフェルディナント2世の宮殿に改装された。ゴシック、マヌエル、ムーアなど様々な建築様式が混在しているのは、南ヨーロッパに特徴的である。おとぎ話の父ともいうべきハンス・クリスチャン・アンデルセンは、この城を「ポルトガルで最も美しい場所」と讃えた。(PHOTOGRAPH BY LAVENDERTIME/GETTY IMAGES)
スロバキア、ボイニツェのボイニツェ城
スロバキアで最も観光客が多く訪れるボイニツェ城は、夢の世界に浸るにはうってつけ。12世紀に木造の要塞として建てられ、様々な人の手に渡った後、1800年代に最後の個人所有者であるヤノス・フェレンツ・パルフィ伯爵によって現在の美しい外観に仕上げられた。フランスのロワール渓谷にある城に魅了されていた伯爵だったが、自分の城の改装が完了する前に、不幸にもこの世を去った。彼の収集した絵画やその他の宝は、現在城内で展示されている。ボイニツェ城で最も人気のツアーは、ろうそくの灯りで城内を巡るナイトツアーと、毎年4月末に行われる「幽霊とお化けの国際フェスティバル」である。(PHOTOGRAPH BY TOMO, GETTY IMAGES)
スペイン、セゴビアのアルカサル
「アルカサル」はスペイン語で城や砦の意味。スペインの城の多くがそうだったように、セゴビアでも防衛のために建てられた。元の建物は、今はほとんど残っていない。2本の川の合流地点で、天へ向かってそびえるように立つ円形の塔は、砦というよりはやはりおとぎ話の城といった印象を受ける。堂々とした石造りの城は、王宮だったこともあれば(女王イサベル1世の戴冠式が行われた)、刑務所や軍隊の学舎として使用された時期もあるが、現在は博物館になっている。(PHOTOGRAPH BY NAGELE STOCK/ALAMY STOCK PHOTO)
ハンガリー、ブダペストのブダ城
ドナウ河岸、石灰岩の台地に広がるブダ城地区にあるブダ城は、13世紀にハンガリー国王ベーラ4世によって建てられ、その後何度も侵略の憂き目にあう。石畳の通りを歩けば、三位一体広場とマーチャーシュ教会にやってくる。城内には、ハンガリー国立美術館とブダペスト歴史博物館が入っている。「漁夫の砦」と呼ばれる白い石造りの塔からは、鎖橋と町全体が見渡せる。(PHOTOGRAPH BY DAN BRECKWOLDT, ALAMY STOCK PHOTO)
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