ネパール中北部に位置する、かつての「ムスタン王国」(現在はダウラギリ県ムスタン郡)。切り裂かれたような岩の大地に、雪を頂く山々。色鮮やかな祈祷旗がはためき、レンガ色の修道院がそびえる。チベットと境を接するこの秘境へのトレッキングは、旅人たちの人気を集めている。

 しかし、ネパール全域でそうであるように、ムスタンにも変化の波が訪れている。国が急速にすすめる道路建設計画によって、風景のみならず住民の暮らしや旅のあり方まで変化しつつあるのだ。

文=Michael Shapiro/訳=桜木敬子