フィリピンでは毎年12月、海外へ働きに出ている人たちが里帰りをする。家族が再開する場面を写真家がとらえた。
文と写真＝HANNAH REYES MORALES／訳＝北村京子
ギャラリー：100万人の出稼ぎ家族が里帰り、フィリピンのクリスマス 写真19点
クリスマスらしく飾り付けられた、労働者階級向けの共同住宅の屋根を見下ろしてそびえる、マニラ中心街の高層ビル群。家事労働者として働いている香港から帰郷したベルナルディータ・ロペス（手すりに寄りかかっている人物）は、この瞬間を堪能している。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
ニノイ・アキノ国際空港の到着エリアで、クリスマスに帰郷する家族を待つたくさんの人々。働き口の不足と低賃金により、数百万人にのぼるフィリピン人が海外へ出る。多くの人が最終的に目指すのは、母国でのよりよい生活だ。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
クリスマスの前の週、居間に集まるトリデインズ家の人々。テリー（右からふたり目）はシングルマザーで、息子のアービン、アリス、アージェイは、全員が中東で働いた経験がある。末娘のアリアンは、海外で働くフィリピン人と結婚している。アービン（左から3人目）はサウジアラビアで10年間働いた後に脳卒中を起こし、現在は療養中。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
帰国する海外労働者たちの多くは、英雄として迎えられる。マニラの空港で、母親のシェラを迎えるために家族で手作りしたボードを掲げるシェリナ・マテオ。母親は2年前からオマーンで家政婦として働いており、今回が初めての帰国。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
到着エリアで母親を抱きしめるシェラ・マテオ。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
サウジアラビアの工場で働く夫のアリエルからのビデオ電話に笑顔を見せるサリーと娘のアリサ。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
家事労働者として働いている香港から、クリスマス休暇で帰国したベルナルディータ・ロペス。家族あての贈り物を詰めて自宅に送ってあった段ボール箱「バリクバヤン」を開けているところ。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
父親のアージェイを抱きしめるアルシア・トリデインズ。「もうおもちゃをもらえなくてもいいの。パパがここにいてくれるなら」とアルシア。しかしアージェイは来年、韓国の工場で働くつもりだ。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
マニラ郊外にある自宅で、妻のエステリタを抱きしめる船員のロニー・ゴンザレス。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
姪にキスをするシェラ・シーダ。彼女は6年前から香港の中国人家庭で家政婦として働いている。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
マニラのバクララン教会で行われる夜明け前のミサに集う信者たち。クリスマスまでに9回行われるミサにすべて参列すると、神が願いを叶えてくれると言われている。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
クリスマスイブのミサ「シンバン・ガビ」の最中、キリスト降誕の場面に登場する人物に扮した子どもたちと一緒に写真に収まる人々。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
「Sulong Maynila!（マニラよ前へ！）」の文字が光る、「パロル」と呼ばれる巨大なランタンが、贈り物やデコレーションを求める人々で賑わう商業地区ディビソリアを彩る。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
アヤラ三角庭園で行われている「光のフェスティバル」に集まった人々。クリスマス時期には、多くの人が華やかな装飾のある場所に家族連れで出かける。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
星をかたどったパロルを売るマニラの商人。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
マニラでは、海外労働者とその家族のためのパーティが数多く開催される。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
フィリピンのクリスマスに欠かせないごちそうを持ち寄る、ベルナルディータ・ロペスの地元の人々。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
クリスマス時期には、子どもたちが家々を回って聖歌を歌い、ささやかなおこづかいを受け取る。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
12月には、クリスマスを故郷フィリピンで祝うために、大勢の海外労働者がマニラに到着する。（PHOTOGRAPH BY HANNAH REYES MORALES, NATIONAL GEOGRAPHIC）
