• 9月17ー19日 増え続ける新型コロナの犠牲者
    米国 ワシントン
    ワシントン記念塔の周囲に、たくさんの小さな白い旗が立てられた。その数は、米国での新型コロナウイルス感染症による死者数を表している。企画したアーティストのスザンヌ・ブレナン・ファステンバーグは、死者数の膨大さだけでなく、一人ひとりの死の重みと、それにまつわる苦痛や悲哀を表現したかったという。旗に故人の名前を書いたり、写真で飾ったりする人々の姿が見られた。(写真 = スティーブン・ウィルクス)

    この合成写真を制作するために、スティーブン・ウィルクスは3日間にわたり通算30時間、高所作業台の上の同じ位置から何百枚も写真を撮った。その後に何点かの写真を選び、それらを合成して、一つの光景にした。

  • 1月27日 気候変動と災害と異常気象
    アルゼンチン エル・ボルソン
    南米大陸の南端に位置するパタゴニア地方では、木材のプランテーションのために持ち込まれた外来種のマツが手に負えないほど繁茂し、火災が発生しやすい森林と脆弱な生態系をつくり出してきた。エル・ボルソンの町の近くで、懐中電灯の光に浮かび上がったのは、ナンキョクブナやパタゴニアヒバといった在来種の木々だ。森林火災の灰をかぶっている。(写真 = アレハンドロ・チャスキエルベルグ)

    ”私たちが自然界ともっとうまく関わらなければ、地球における自分たちの存在基盤そのものを自ら破壊していることになるのです” ̶エリオット・ハリス(国連チーフエコノミスト)

  • 8月4日 戦いが家族を引き裂く
    アフガニスタン ファイザバード
    70歳のハフィザにとって、戦争はまだ終わっていない。2019年に住み慣れた村がタリバンの支配下に入ったため、以後はファイザバード近郊で暮らしてきた。息子たちは二人が政府軍に入隊し、一人は武装集団に、一人はタリバンに加わった。2021年には、アフガニスタンのほかにも世界中の何十もの地域で戦闘が続いていた。最近火を噴いた戦いもあれば、古くから続く戦いもあり、国境をまたぐ紛争も、地域紛争もある。欲望や思想・信条、歴史が人々を戦いに駆り立てる。(写真 = キアナ・ハイェリ)

    “私の最愛の息子たちは互いを敵と見なして憎しみ合っています。来る日も来る日も涙を流しました。目が見えなくなるほど泣きました” ̶ハフィザ(息子たちのことを嘆いて)

  • 9月21日 命の恩人の腕の中で
    コンゴ民主共和国 ビルンガ
    コンゴ民主共和国のビルンガ国立公園では、レンジャーたちが母親を失った幼いゴリラの保護活動に取り組んできた。2007年に写真家のブレント・スタートンがビルンガに滞在していたとき、レンジャーのアンドレ・バウマが、死んだ母親にしがみつく幼いゴリラを見つけた。バウマはその雌ゴリラをンダカシと名づけ、その後も世話を続けた。レンジャーたちが運営するゴリラ保護センターを9月に訪れたスタートンは、原因不明の病気で死を間近にしたンダカシがバウマの腕まではっていく様子にカメラを向けた。(写真 = ブレント・スタートン、VIA GETTY IMAGES)

    ”ゴリラの社会は人間社会よりもずっと優しさにあふれています。ゴリラは互いを慈しみ、秩序を守って、家族みんなの面倒を見るのです” ̶ブレント・スタートン(写真家)

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