• シエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタは海に面した山地として世界一の標高を誇り、サンゴ礁から氷河まで、地球の環境が凝縮されている。上流部の氷は92%以上が消失。かつては氷河が解けた水が川となり、下流の人々に水を供給していたが、それも干上がりつつある。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • 南米コロンビア北部、シエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタ山地の先住民アルワコ族。自分たちの暮らす土地を聖地とみなし、人類すべての利益のために守らねばならないと考えている。写真は標高約4800メートル付近にある氷河湖、ナボバ湖のほとり。12日間の巡礼の途中、アマド・ビジャファニャさんが綿の繊維に尊敬の念を込めている。精神的指導を担う長老が、自然界が生命を支えてくれていることへの「支払い」として、こうした繊維などの聖なる品々を湖に沈める。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • アルワコ族は、定期的にグループでシエラ・ネバダに登り、霊的儀式を行うが、「弟たち」(部外者を指す彼らの言い方)を連れて行くことはめったにない。写真は、精神的指導者の長老アドルフォ・チャパロさん(左、後ろ姿)が儀式を取り仕切っているところ。ソグロメ村の住民たちが瞑想し、色のついた紙や糸の切れ端に思いを込める。それを、チャパロさんが聖地に供えに行く。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • シエラ・ネバダでは、自然と人間社会は一体となって共存している。精神的指導を担う長老はマモスと呼ばれ、両者のバランスを保つ役割がある。アルワコ族の男性、女性、子どもたちが思いを込めた自然物を、山地に点在する決まった地点に置くことでそのバランスが保たれる。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • ソグロメ村では、マモスはこうした石の座席に座り、自然やその最も良い守り方について瞑想する。石の席は、空と意思疎通するためのアンテナだと言われている。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • 旅を始める儀式で、アルワコ族の参加者たちが数分間瞑想し、色のついた紙片に思いと感謝を込めてから、ソグロメ村にある平たい石の祭壇にそっと置いた。マモ・アドルフォ・チャパロさんが、のちにそれを山腹の聖地に持っていった。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • 氷河が解けた水でできた湖は、形も大きさも色もさまざまで、シエラ・ネバダ山地の上流部に点在している。ターコイズブルーの湖から顔を出している岩は、山地全体のピラミッド型を模しているかのようだ。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • 海抜3000メートル付近に生える低木の林を進みながら、セイネクン・ビジャファニャさんが自分のラバをなだめすかす。シエラ・ネバダの動植物は驚くほど多彩で、地球上のここでしか見られない種が非常に多い。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • ソグロメ村郊外のグアタプリ川沿いを歩くアルワコ族の女性。この川がなければ一帯は不毛の地であり、50万人近い人口を抱える都市バジェドゥパルにとっても欠かせない水源だ。だが、山地の氷河が小さくなるにつれ、グアタプリ川の源流は細り、小川と大差ないほどになっている。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

  • 後退した氷河が残したモレーンの側面にくぼみがあり、その下に小さな村メイワカがある。標高はおよそ3600メートル。陥没穴のようなこの地形を、アルワコ族は「母」と呼ぶ。女性の子宮と産道に似ているからだ。世界が創られたとき、自分たち民族はここから生まれ出たと彼らは信じている。(PHOTOGRAPH BY STEPHEN FERRY, NATIONAL GEOGRAPHIC)

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