• モランディ氏は、ネズの倒木を拾い集めて彫刻作品を作る。それを観光客に売って得た収入を、アフリカからチベットまで、様々な国の非政府団体へ寄付している。島のごくわずかな土地の中だけで生活しているが、モランディ氏は世界の広さをしみじみと感じるという。 (Photograph by Michele Ardu)

  • 島で長い間暮らしているが、一度も病気にかかったことがないそうだ。「良い遺伝子」に恵まれたためだという。 (Photograph by Michele Ardu)

  • 日没の空を背にしたモランディ氏の影。世界中が静けさに包まれたかのようなこの時間が、一日で最も好きだという。「私たちは超人で、神のような存在であると思い込みがちですが、私にしてみれば人間とは何ものでもありません。私たちは自然に適応すべきなのです」 (Photograph by Michele Ardu)

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「私たち人間は、自分たちは地球を支配できる巨人だと思い込んでいますが、本当は蚊のような取るに足らない存在なんです」

 1989年、イタリア半島の西方、地中海に浮かぶサルデーニャ島とコルシカ島の間で船のエンジンが故障し、錨が切れて漂流していたマウロ・モランディ氏の双胴船は、ブデッリ島に流れ着いた。そこで出会った島の管理人が2日後に引退すると聞くと、既に社会に幻滅しきっていたモランディ氏は、船を売って管理人の仕事を受け継いだ。

 以来32年間、氏はたったひとりでこの島に住み続けてきた。

文=Gulnaz Khan/写真=Michele Ardu/訳=ルーバー荒井ハンナ

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