今から3万年前、ライオンは4つの大陸に広がって生息していた。しかし、今では、その多くが絶滅。アフリカのサハラ砂漠以南では年々、個体数が減少し、インドの野生動物保護区では約600頭が保護されているだけとなった。
ここでは、消えゆく百獣の王ライオンの貴重な姿を紹介する。案外かわいい寝顔から、毛づくろいに余念がないオス、木の上から威嚇するメスライオンまで、様々な表情をどうぞ。
文＝GRANT CURRIN／訳＝鈴木和博
ギャラリー：百獣の王ライオンの様々な表情 写真11点
アフリカの日差しのなかでくつろぐライオンのオス。たてがみがあるのはおとなのオスだけで、豊かなたてがみほど他のオスに一目置かれる。（PHOTOGRAPH BY CHRIS JOHNS）
わずかしか残っていないインドライオンの1頭。インドのギル森林国立公園で、午後の暑さを避けて木陰で眠っている。（PHOTOGRAPH BY MATTIAS KLUM）
群れのために狩りをするのはメスの役目。複数のメスで協力し合って、ヌーやシマウマ、アンテロープなどの足の速い動物たちを追い詰める。（PHOTOGRAPH BY CHRIS JOHNS）
インドライオンはかつて南アジアや中東に広く生息していたが、今は絶滅が危ぶまれている。（PHOTOGRAPH BY MATTIAS KLUM）
ライオンのオスは頻繁に毛づくろいをする。その色は黄褐色で、アフリカの草原に溶け込みやすい。（PHOTOGRAPH BY CHRIS JOHNS）
ライオンの子どもは3歳くらいになるまで母親と一緒に暮らす。その後、メスは群れと行動をともにするが、オスはそこを離れて自分の群れを作ろうとする。（PHOTOGRAPH BY CHRIS JOHNS）
オスはたいてい260平方キロメートルにも及ぶ広大な縄張りを巡回する。（PHOTOGRAPH BY CHRIS JOHNS）
ギル森林国立公園の乾燥したチークの森は、かつてインド王族の狩猟場だった。現在は野生動物保護区となり、絶滅の危機にあるインドライオンを手厚く保護している。（PHOTOGRAPH BY MATTIAS KLUM）
アフリカの草原にいるライオンの母子。子どもは、生後3カ月ほどで移動できるようになると、群れに加わる。メスたちは同時期に出産するため、子どもたちは月齢がほとんど同じだ。（PHOTOGRAPH BY CHRIS JOHNS）
メスのアフリカライオン。目を覚ましたばかりで、ザンベジ川のそばにある木の上から威嚇している。（PHOTOGRAPH BY CHRIS JOHNS）
インドのギル森林国立公園で2頭の子どもと一緒にくつろぐインドライオンの母親。（PHOTOGRAPH BY URI GOLMAN, NATURE PICTURE LIBRARY）
