米国の象徴として知られる自由の女神像。世界遺産にも登録されているこの像は、フランスが米国の独立100周年を祝して制作し、寄贈したものだ。

 台座から松明(たいまつ)までの高さは約46メートル。パーツごとに分けた制作には、9年以上がかけられた。途中に2度、資金集めを兼ねてパーツが展示されたことがある。1876年の米フィラデルフィア万博では腕と松明部分が、1878年のパリ万博では像の頭部が公開された。

 1885年にすべて完成すると、像は一度分解され、新たな住みかとなるニューヨークに向けて出港した。ちなみに、自由の女神像があるリバティ島は、厳密に言うとニュージャージー州の海域にあるが、島はニューヨーク州の飛び地となっている。

 像の組み立てには4カ月ほどがかかり、除幕式は1886年10月28日に行われた。自由の女神像は銅像のためもともとは茶色だったが、20年ほどかけて、銅が酸化して生成される緑青(ろくしょう)に覆われ、現在のような緑色になっている。

文=EMILY MARTIN/訳=鈴木和博

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