教会からモスクになり、その後、博物館になり、そして再びモスクとなった、トルコのアヤソフィア。1500年前に建てられたイスタンブールの至宝は、今も世界有数の文化的建造物であり続けている。
しかし、目を見張るほど美しいイスラムの建造物はアヤソフィアだけではない。モスクを中心にイスラムが生んだ建造物をご覧いただこう。
文＝STARLIGHT WILLIAMS／訳＝北村京子
ギャラリー：イスラムが生んだ美しく壮麗な世界のモスク 写真17点
ボスポラス海峡を見下ろしてそびえる世界の傑作建築の一つ、アヤソフィア。（PHOTOGRAPH BY MURAT TUEREMIS, LAIF/REDUX）
再び礼拝の場として開かれたアヤソフィアで、86年ぶりに正午の祈りを捧げるイスラム教徒。（PHOTOGRAPH BY MUHAMMED ENES YILDIRIM, ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES）
トルコのスルタン・アフメット・モスク（ブルーモスク）は17世紀初頭に造られた。イスタンブールで指折りのフォトジェニックな建造物で、内部を飾る青いタイルが名前の由来になっている。（PHOTOGRAPH BY KEITH ARNOLD, GETTY IMAGES）
イラン、シラーズのナシール・アル・ムルク・モスク。モスクには珍しいステンドグラスがペルシャ絨毯に万華鏡のような光を落とす。 （PHOTOGRAPH BY RICHARD I'ANSON, GETTY IMAGES）
インドネシア、ジャカルタのイスティクラル・モスクは20世紀後半の建造当時、そのミナレットとドームが前衛的であるとみなされ、地元のイスラム教徒が使うには「アラビア的すぎる」と評された。伝統的なジャワ島のモスクは3層の屋根を持つ。（PHOTOGRAPH BY DASRIL ROSZANDI, ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES）
インドのジャーマー・マスジッド・モスク。赤い砂岩と大理石の外観が特徴だ。（PHOTOGRAPH BY ZHENG HUANSONG, XINHUA/REDUX）
アラブ首長国連邦のシェイク・ザイード・グランド・モスク。アブダビにある巨大なモスクで、中庭と礼拝堂に4万人以上を収容できる。世界最大のペルシャ絨毯が、ドイツから輸入されたスワロフスキーのシャンデリアの下に敷き詰められている。（PHOTOGRAPH BY LUTZ JAEKEL, LAIF/REDUX）
エジプトのスルタン・ハサン・モスク。カイロの街で300年近く前から、学校およびモスクとして活用されてきた。（PHOTOGRAPH BY GETTY IMAGES）
イランのシャー・モスク。イスファハンにあるこの大寺院の特徴の一つは、10世紀以上にわたって拡張が続けられてきたことであり、1000年近くにおよぶイスラム美術・建築の粋が詰まっている。（PHOTOGRAPH BY GETTY IMAGES）
20世紀後半に首都クアラルンプールに建てられたマレーシア国立モスクの屋根は、開いた傘の下側にインスピレーションを得て設計された。（PHOTOGRAPH BY MANAN VATSYAYANA, GETTY IMAGES）
カタールのエデュケーション・シティ・モスク。ドーハにあるこのモスクは、イスラム教の5つの柱、シャハーダ（知識）、サラート（礼拝）、ザカート（喜捨）、サウム（断食）、ハッジ（巡礼）を表す5つの支柱の上に建てられており、その1本1本には優美なカリグラフィでコーランの聖句が刻まれている。（PHOTOGRAPH BY BONNIE JO MOUNT, THE WASHINGTON POST/GETTY IMAGES）
モロッコのハッサン2世モスク。高さ約210メートルのハッサン2世モスクのミナレットは世界最大であり、カサブランカの街を象徴する存在。（PHOTOGRAPH BY WOLFGANG KAEHLER, GETTY IMAGES）
エジプトのイブン・トゥールーン・モスク。保存状態が極めて良いモスクとしても知られる。壮大な赤レンガの複合建築は、876年にエジプトおよびシリアのトルコ総督によって建てられたものだ。（PHOTOGRAPH BY MICHEL SETBOUN, GETTY IMAGES）
トルコのスレイマニエ・モスク。イスタンブールのスレイマニエ・モスクのようなオスマン帝国時代に建てられたモスクは、この街のもう一つの主要観光地であるアヤソフィアの聖堂を意図的に模倣して造られている。（PHOTOGRAPH BY NIMON_T, GETTY IMAGES）
米首都ワシントンのワシントン・イスラムセンター。イラン、エジプト、トルコを中心とした様々な様式や文化からの影響を融合させていることで知られる。（PHOTOGRAPH BY GETTY IMAGES）
1970年代後半に建てられた、パキスタン、イスラマバードのシャー・ファイサル・モスク。スンニ派の現代的なモスクで、イスラム世界の異なる宗派のあらゆる儀式に対応している。（PHOTOGRAPH BY SHAHID KHAN, ALAMY STOCK PHOTO）
北アフリカ最初のイスラム都市であり、またイスラム教徒にとって四大聖地の一つであるチュニジアのケルアン。この街の大モスクは、最初のモスクとされるメディナにあるムハンマドの家のイスラム建築の模範として称賛を集めている。（PHOTOGRAPH BY RON WATTS, GETTY IMAGES）
