歌う姿、話す姿、食べる姿、眠る姿をライブ配信し、収入を得ているインターネットセレブリティーたち。中国、韓国、台湾でスターとファンの関係に迫る。
文＝CLAIRE WOLTERS／写真＝JEROME GENCE／訳＝米井香織
ギャラリー：アジアのライブストリーマーとファンたち
台湾、高雄のホテルからライブストリーミングを行うララ（35歳）。7万5000人近いフォロワーを獲得しているライバーだ。幼い娘のモンモンちゃんをアパートに置いて仕事に出掛け、さまざまなホテルの部屋に一人きりで座り、携帯電話で見ている人々に笑顔を振りまく。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
ストロベリー（24歳）は中国、西安でライブストリーミングを行う際、コンピューターのフィルターで顔を白く、細く見せている。中国のライバーたちは狭い空間で仕事をしており、政治の話題を配信することは禁止されている。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
ライバーのファンはビデオチャットでバーチャルステッカーあるいは絵文字を送ることができる。ステッカーは1枚数千ドルするものもある。売り上げはライバーとエージェンシーで折半される。すべてのライバーが成功するわけではないが、ナイス（左）は台湾の台北にアパートを購入し、高級品を買いあさることができるほど稼いでいる。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
ライバーたちを監視するレードゥー・メディア北京支社の従業員。中国のライバーは厳格なガイドラインに従わなければならない。例えば、女性はセクシーな服を着てもいいが、服を脱ぐことは禁止されている。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
韓国、ソウルのレストランで、巨大な器に入った激辛の麺料理を平らげるライバーたち。ライブストリーミングで最初に人気が出たモクバンというジャンルでは、カメラの前で大量の食べ物を食べることがスターの条件となっている。モクバンのファンは、一緒に食事する相手がいない人、減量中の人、有名人が苦痛を感じている姿に喜びを見いだす人などだ。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
ソウルでのライブ配信後、眠りにつくモクバンのライバー、リー（31歳）。カメラを設置し、眠る姿までファンに見せている。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
一部のファンは大食いだけでは満足せず、唐辛子を追加してほしい、食べ物を特定の形に切ってほしいなどと要求してくる。リーが従うと、ファンたちはバーチャルステッカーを送ってくれる。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
ロレックスの店舗が入った台北大安区のビルに、17メディアが所有する高さ約30メートルの広告板がある。4人のライバーがポーズをとり、孤独な人たちの心に響く「あなたとともに」というスローガンが書かれている。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
ソウルのアパートで大食いの準備を行うフー・ミノ。フー・ミノは1度のライブストリーミングで450〜900ドルほどの収入を得ている。より多く、より早く食べるほど、稼ぎは増える。この日の挑戦は、ハンバーガー10個を10分で食べることだ。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
バーチャルステッカーを手に入れるため、インスタントメッセージでファンと交流するフー・ミノ。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
犬のライバーとして有名なQジアン。台湾、高雄で開催されたファンとの交流会にて。Qジアンは小さな電気自動車に乗り、飼い主がファンの質問に答えている。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
台湾、高雄のショッピングモールで写真集のサイン会を開き、ファンたちとセルフィーを撮影するララ。収入にならない限り、ララのような有名ライバーがファンと直接会うことはほとんどない。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
アパートのテレビに映る母親を見るララの娘モンモンちゃん。ララは仕事が忙しく、家を留守にしがちで、モンモンチャンは母親の不在に慣れてしまった。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
母親から目を背けるモンモンちゃん。ララは高雄の施設でホームレスを支援する自分の姿をライブ配信している。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
高級車の窓から外を眺めるハンセ。ソウルで撮影。「時々、私のライブストリーミングを誰もフォローしなくなるという悪夢を見ます」。ハンセはライバーの仕事で富を手にしたが、この仕事を始めてから、涙を流す日々が続いているという。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
台湾、苗栗にある自宅の寝室で、お気に入りのライバー、ユートンのライブストリーミングを見るコンフーさん。女性とキスしたことがない彼も、オンラインの世界では、現実世界で得られない自信を手に入れられる。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
台北の店に入り、お気に入りのライバー、チャオヨーに贈るプレゼントを探すジュンジさん（42歳）。チャオヨーに会ったことはないが、いつかプレゼントを手渡したいと考えている。一部のライバーは交流会を開催しており、ファンたちはそこでプレゼントを渡すことができる。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
織物工場で働くため、台北にやって来たジュンジさんは、現実世界の友人はいないと考えている。ライバーは交友を提供してくれる存在であり、ジュンジさんはその見返りにバーチャルステッカーを送っている。毎月、収入の約3分の1をステッカーにつぎ込んでいる。（PHOTOGRAPH BY JEROME GENCE）
