「文明社会や人づきあいを離れて、豊かな自然のなかで静かに過ごしたい」と思ったことはないだろうか。フィンランド人のティニヤは、6年間過ごした都会を離れてラップランドに戻る決意をした。最北の地、ラップランドの人里離れたところで、水道も電気もない生活を送っている。書籍『NO SIGNAL 街を出て、大自然の中で暮らすことを選んだ10人の生き方』には、ノルウェーの無人島で灯台守になった元ジャーナリストから、大学教授の職を捨てて古のペルシャ騎士の伝統を守る人、ギリシャの廃村で人生をやり直す人まで、ソロー『ウォールデン 森の生活』を現代に体現する人々10人が登場する。その中から、ここではフィンランドに暮らす「ティニヤ」の章をすべて掲載する。

文・写真=ブリス・ポルトラーノ/訳=山本 知子