暑い夏！涼しげな青のハンミョウ（斑猫）をご紹介。この季節、熱中症にどうぞお気をつけください。ニシダは熱虫症！　飛ぶのか飛ばないのか？そこが問題だ。（Photograph by Kenji Nishida）

産卵が終わり、穴をふさいでいるメス。後方に「お尻」で掘り出した土の粒が積み上がっている（矢印）。（Photograph by Kenji Nishida）

若い幼虫たちのすむ穴が林道沿いの土手に開いている（直径2～3ミリ）。（Photograph by Kenji Nishida）

スードクシケイラ・タルサリス（ゴミムシ科：ハンミョウ亜科）のメス
Tiger (ground) beetle, Pseudoxycheira tarsalis (Carabidae: Cicindelinae), female
真上から見たところ。紺色の体に前翅の白っぽい二つの斑点が特徴。斑点の部分は、翅が半透明で光が透ける。紺色は構造色。生息地は、コスタリカからパナマにかけての山岳地帯の中腹、標高600～2000 m。
体長：15 mm 撮影地：コスタリカのモンテベルデ、標高1500 m
（Photograph by Kenji Nishida）

スードクシケイラ・タルサリス（ゴミムシ科：ハンミョウ亜科）のメス、正面上から。（Photograph by Kenji Nishida）

スードクシケイラ・タルサリス（ゴミムシ科：ハンミョウ亜科）のメス、アゴの部分の接写。アゴの上唇はドリルのように突き出している。（Photograph by Kenji Nishida）

お腹側は少し虹色に輝く。後ろ脚の付け根付近にあるのは転節（trochanter）と呼ばれる部位（矢印）。ゴミムシの仲間はここが膨らんでいるのが特徴だ。（Photograph by Kenji Nishida）

メスの「お尻」の先を下（腹側）から見たところ。土に穴を掘ったり穴を埋めたりすることのできる器官が備わっているようだ。全体を出したり引っ込めたりできる。中央のV字部は伸ばすことができる。ちなみにオスのお尻を顕微鏡下で確認したがこのような器官は、なかった。（Photograph by Kenji Nishida）

前翅をピンセットで挟んで後ろ翅を確認。飛ぶことはできそうだが、羽ばたくそぶりは一切見せなかった。（Photograph by Kenji Nishida）

近づくと、飛ばすに、慌てたように走って落ち葉の下や、土手のくぼみなどに身を隠す。意外と恥ずかしがり屋さんだ。（Photograph by Kenji Nishida）

成虫がヤスデの一種を捕食しているところ。成虫も幼虫も捕食者で、成虫は狩りをして、小型の昆虫や節足動物を食べる。幼虫は穴掘り待ち伏せ型で、穴に近づいたり、入ってきたりする獲物を食べる。（Photograph by Kenji Nishida）

交尾中。オスがメスの胸部のくびれに、大アゴをガッツリと挟み込んでいるところ。ドリルのような上唇（写真では、オスの頭の先から飛び出している黒いくちばしのような部分）は、メスの胸部の背部のくびれにドッキングロック（施錠）をする機能も果たしているのかもしれない。（Photograph by Kenji Nishida）

オス。オスの体は、メスに比べると全体的に少し短く見える。オス・メス関係なく、グリーンの輝きが出るものもいる。（Photograph by Kenji Nishida）

オスの前脚の跗節（ふせつ/tarsus）には、メスにはない白っぽい細かい毛が生えているのが特徴だ（矢印）。（Photograph by Kenji Nishida）

卵の大きさは1.5 mm × 0.7 mm。黄色からクリーム色をしている。（Photograph by Kenji Nishida）

卵は成長すると、中に幼虫の眼や体毛やアゴが見え始める。どこかスマイリーな顔のように見える。（Photograph by Kenji Nishida）

1齢幼虫の大きさは4 mm。出てきた幼虫は、いかつくパワフルな装いをしている。（Photograph by Kenji Nishida）

幼虫の穴。顔（頭）を入り口付近まで持ってきて、大アゴを開いて、獲物を待ち構えている。コチラの気配に感づくと、スッ！と穴の奥へと消える。穴の直径は6 mm。（Photograph by Kenji Nishida）

幼虫の穴。顔（頭）を入り口付近まで持ってきて、大アゴを開いて、獲物を待ち構えている。コチラの気配に感づくと、スッ！と穴の奥へと消える。穴の直径は6 mm。（Photograph by Kenji Nishida）

失敬して、穴のある場所を掘ってみた。深さは50 mmほどで、幼虫の体長は約25 mm。大きさからして終齢幼虫だろう。Palmer 1983の文献では「幼虫が蝶やそれらの幼虫、コオロギやゴキブリ、クモや小さなカエルを捕食しているところが観察されていて、タルサリスの成虫がタルサリス自身の幼虫に捕食されかけたが、幼虫の「牙」から逃れた」ともある。（Photograph by Kenji Nishida）

失敬して、穴のある場所を掘ってみた。深さは50 mmほどで、幼虫の体長は約25 mm。大きさからして終齢幼虫だろう。Palmer 1983の文献では「幼虫が蝶やそれらの幼虫、コオロギやゴキブリ、クモや小さなカエルを捕食しているところが観察されていて、タルサリスの成虫がタルサリス自身の幼虫に捕食されかけたが、幼虫の「牙」から逃れた」ともある。（Photograph by Kenji Nishida）

ナミハンミョウ（オサムシ科：ハンミョウ亜科）：日本のハンミョウの小ギャラリー
Tiger (ground) beetle, Cicindela japonica (Carabidae: Cicindelinae)
日本を代表する甲虫の一種と言えるだろう。開けた砂地にいた。そっと近づいては逃げられを繰り返し、やっと撮影できた。写真はメスで、アゴの一部が白く、前翅の付け根に白い点がない。
体長：20 mm　撮影地：高知県津野町、標高490 m
（Photograph by Kenji Nishida）

ナミハンミョウ（オサムシ科：ハンミョウ亜科）：日本のハンミョウの小ギャラリー
Tiger (ground) beetle, Cicindela japonica (Carabidae: Cicindelinae)
青緑の個体とは、このときが初めての出会い。後ろ脚が一本ないようだ。大アゴのほぼ全体が白く、前脚が毛深いのでオス。
（Photograph by Kenji Nishida）

コハンミョウ（オサムシ科：ハンミョウ亜科）：日本のハンミョウの小ギャラリー
Tiger (ground) beetle, Myriochila specularis (Carabidae: Cicindelinae) 和歌山県の公園で見つけた。すぐに飛んでいくので撮影が難しかったが、交尾中のものにはある程度近づくことができた。オスはメスの胸のくびれを大アゴでガッチリとくわえている。緑っぽい個体とグレーっぽい個体がいた。
体長：17 mm　撮影地：和歌山県橋本市、標高230 m
（Photograph by Kenji Nishida）

コハンミョウ（オサムシ科：ハンミョウ亜科）：日本のハンミョウの小ギャラリー
（Photograph by Kenji Nishida）

ニワハンミョウ（オサムシ科：ハンミョウ亜科）：日本のハンミョウの小ギャラリー
Tiger (ground) beetle, Cicindela japana (Carabidae: Cicindelinae) シックな色が地面を動く。よく見ると、背中（前翅）のクチクラに立体的なブツブツ模様。脚と触角は、青と緑と紫がまざったようなメタリック色だ。「どこにでもよくいる」という意味で、庭のハンミョウなのだろう。ウチの庭にも住んでほしいものだ。
体長：17 mm　撮影地：信州、峰の原高原、標高1450 m
（Photograph by Kenji Nishida）