• 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
    九州地方では、16~19世紀に建てられた10余りの教会や史跡に、日本に初めて入ったキリスト教宣教師や信者たちの足跡が示されている。17~19世紀の禁教政策のため、こうした初期のキリスト教徒たちは、ひそかに信仰を実践していた。(PHOTOGRAPH BY HEMIS, ALAMY STOCK PHOTO)

  • サーサーン朝考古景観
    イラン、ファールス州南東部にあるフィールザーバード、ビーシャープール、サルベスタンの要塞化された建造物や宮殿は、紀元224年から658年までのサーサーン朝の建築・芸術様式が見て取れる。(PHOTOGRAPH BY ARNOLD PAIRA, REDUX)

  • テワカン=クイカトラン渓谷
    サボテンの森、リュウゼツラン、イトラン、オークに覆われたメキシコ、メソアメリカ地域のテワカン=クイカトラン渓谷。その生物多様性に加え、考古学的遺跡もあり、初期の作物栽培の痕跡を残している。(PHOTOGRAPH BY BRIAN OVERCAST, ALAMY)

  • カルハットの都市遺跡
    オマーン東岸にある、城壁をめぐらせた都市の遺跡。11~15世紀にアラビア、東アフリカ、インド、中国、東南アジアをつないだ主要貿易港の繁栄を物語っている。(PHOTOGRAPH BY FAUSTO GIACCONE, REDUX)

  • ヘーゼビューとダーネビルケ
    8~11世紀のドイツの遺跡ヘーゼビューは、ヨーロッパの一大交易地として栄えていた。道路や建物、土塁、共同墓地は、バイキング時代のこの地域を知る手掛かりを与えてくれる。(PHOTOGRAPH BY PICTURE ALLIANCE, GETTY IMAGES)

  • イブレア
    イタリア北西部の産業都市イブレアとその工場群は、1930年代から60年代にかけて同国の建築家たちが設計したもの。タイプライターや計算機を製造していたオリベッティ社の拠点として知られる。(PHOTOGRAPH BY MAURIZIO GJIVOVICH, UNESCO)

  • ピマチオウィン・アキ
    「生命を与える地」を意味するカナダ、ピマチオウィン・アキの森と湿地は、先住民アニシナーベの4部族にとっての伝統的な土地。民家や道路、祭場は、あらゆる生命に敬意を払い、人と土地の調和のとれた関係を保つという、先祖代々の伝統を表している。(PHOTOGRAPH COURTESY UNESCO)

  • ティムリカ・オヒンガ
    ケニアのビクトリア湖一帯にある、石積みの壁に囲まれたティムリカ・オヒンガの集落には、この地域で最初の牧畜社会が最も良く保存されている。その歴史は16世紀までさかのぼる。(PHOTOGRAPH BY EPHRAIM MWANGI, UNESCO)

  • アハサー・オアシス
    サウジアラビア最大のオアシス、アハサーにあるナツメヤシの木立、歴史的建造物、運河、庭園は、人類が新石器時代から現在まで進化させてきた、人と環境の関わりを表している。(PHOTOGRAPH BY IPOGEA, UNESCO)

  • 中央シホテアリニ
    2001年に世界遺産登録されたロシアの中央シホテアリニが2018年、116万ヘクタールあまり拡大された。この地域は暗い針葉樹の森と、東アジアの針葉広葉樹林にまたがり、アムールトラ、シベリアジャコウジカ、クズリの生息地でもある。(PHOTOGRAPH COURTESY OF UNESCO)

 中東バーレーンのマナマで6月末から開催されていた国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は、新たに「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を含む19の世界遺産を承認した。

 年1回の会合には21の委員国の代表が集まり、新たな世界遺産の登録、すでに登録されている遺産の保存、危機遺産リストの検討に当たった。

 登録に際して、文化遺産には6つ、自然遺産には4つの条件がある。地球上で最も生物多様性に富んだ環境から、普遍的重要性を持つ芸術作品まで、合計10の条件のうち、少なくとも1つと合致していなくてはならない。

 今年、同委員会は19の新たな遺産を「顕著な普遍的価値」があるとして承認したほか、ロシアの生物圏保護区である中央シホテアリニの境界線を拡張し、中米のベリーズ珊瑚礁保護区を危機遺産リストから除いた。

「遺産とは我々が過去から引き継ぎ、今も共生し、未来の世代に手渡していくものです」。ユネスコのミッション・ステートメントにはこうある。「私たちの文化・自然遺産はいずれも、かけがえのない生命とインスピレーションの源です」

文=Gulnaz Khan/訳=高野夏美

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