• 2つの時点の私。左は手術を受ける前、2014年に撮影した私自身。右は顔の女性化手術を受けた後、2018年に撮ったもの。これらを両端として、顔つきと体を変容させる旅があった。自分がそれまで何を経験し、どこへ向かおうとしているのか理解する手段として芸術を用いることは、気分をやわらげ、洞察を与えてくれた。(PHOTO ILLUSTRATION BY ALLISON LIPPY)

  • 27歳のときに撮影した左の写真は、私のジェンダー移行の第一日目である2015年4月7日を記念するもの。中央は2015年5月18日に撮った。私と過去の私を切り離した記録だ。2015年7月25日撮影の右の写真は、ホルモンとホルモン阻害薬の投与によって身体的変化が起こることをリサーチによって知ったことを反映している。ホルモン投与の結果は人によって異なることから、それが自分の体にはどのような影響を及ぼすかわからず、未知のことに対する不安を抱えていた。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

  • 2015年8月22日までには、長い間に自分がどのように変化するか記録し、見てみたいという考えにワクワクし始めていた。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

  • 2016年1月2日:物理的に見えるものと自分の期待の不一致の重さを実感する日が続いた。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

  • 2016年3月26日:外科的介入なしにホルモン投与するだけで、人体に有意な効果が現れることもある。時の経過につれて、肌が柔らかくなり始め、乳房組織が成長を始め、身体的な変化は見た目にもより分かりやすいものとなった。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

  • 2016年4月20日:顔の女性化手術(FFS)として知られる、痛みを伴う侵襲性の医療処置を受けた5日後に、自分にカメラを向けた。テストステロンによる頭蓋への影響を取り除くため、骨格を変える手術だ。まだ過去の自分の特徴が見えて、「新しい」顔が再建した頭蓋の上で定着するにはしばらく時間がかかるという現実がわかってきた。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

  • 2016年5月28日:トランスジェンダーの女性である友人から贈られた、私にとって初めてのドレス。肉体的にはまだ目指す道のりの半分にも到達しておらず、自分が歩く未完成品のように感じていた。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

  • 2017年5月22日:満足できる長さになるまで髪が伸びるには時間がかかるため、私はだいぶ前から髪を切らないようにしていた。自分らしくあるためには、女性的な体格になることがすべてではない。私にとって、フェミニストの女性であるということは、自分自身と自分の体にとって正しい道を選べる人間であることだ。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

  • 2017年5月22日:満足できる長さになるまで髪が伸びるには時間がかかるため、私はだいぶ前から髪を切らないようにしていた。自分らしくあるためには、女性的な体格になることがすべてではない。私にとって、フェミニストの女性であるということは、自分自身と自分の体にとって正しい道を選べる人間であることだ。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

  • 2022年5月29日:トランスジェンダーの女性であり、たまたま写真家である者として、私は自分自身を表現することがどれほど大切か、またそれがいかに強力な物語のツールになり得るかを実感している。性的少数者の物語を本人の観点から見ることで、そうでなければ見逃してしまうかもしれないことに光を当てることができる。(PHOTOGRAPH BY ALLISON LIPPY)

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 自分がトランスジェンダーだと気付くまでに、27年かかった。肉体的に移行する決心をするには1カ月か2カ月かかった。自分のため、またそれを必要とする人のために、私の変容を記録すべきだと理解するのにさほど時間はかからなかったーー。

 2015年、写真家のアリソン・リッピー氏は、自分が何者だったのかを理解した。そしてトランスジェンダーの女性として歩む旅を理解するため、自身にカメラを向けた。

文、写真=Allison Lippy/訳=山内百合子

参考記事: トランスジェンダーの歴史:性別二元論に挑戦してきた人々 トランスジェンダー「救急外来で嫌な思い」、調査 まとめ:多様化するジェンダー、最新事情から世界各地の実情

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