ルネサンス期のイタリアに生まれたソフォニスバ・アングイッソラは、当時ごく一部の女性画家しか手にできなかった成功を収め、スペインの宮廷画家として活躍した。彼女の生涯と作品を紹介する。
文＝ALESSANDRA PAGANO／訳＝ルーバー荒井ハンナ
ギャラリー：成功した最初の女性画家、ソフォニスバ・アングイッソラ 画像17点
チェスで遊ぶソフォニスバの妹たち。1555年。ポーランドのポズナン国立美術館所蔵。（BRIDGEMAN/ACI）
ソフォニスバ・アングイッソラの、「聖母マリアを描く自画像」。24歳頃の作品。（ERICH LESSING/ALBUM）
ミニチュアの自画像。1556年。
家族の肖像画
ソフォニスバの母親ビアンカ・ポンツォーネ。1557年。（BRIDGEMAN/ACI）
家族の肖像画
父親のアミルカーレ・アングイッソラ、妹のミネルバ、弟のアスドルバーレ。1558～1559年。（ALBUM/FINE ART IMAGES）
ザリガニに噛まれた少年。1554年頃の作品。（MONDADORI/ALBUM）
カラバッジョ作、トカゲに噛まれた少年。1595年頃の作品。（ALBUM/AKG/RABATTI & DOMINGIE）
大聖堂の鐘楼から見下ろしたクレモナの町。ソフォニスバは、イタリア北部に位置するこの町で生まれた。（KAROL KOZLOWSKI/ALAMY）
アナ・デ・アウストリア
イサベル妃の死後、フェリペ2世の妻となった。この1573年の肖像画は、以前はアロンソ・サンチェス・コエリョによるものと思われていたが、今はソフォニスバが描いたとされている。（BRIDGEMAN/ACI）
イサベル・デ・バロワ
1560年代初めの作品。夫であるフェリペ2世の小さな肖像画を手にする10代のイサベル妃。（ALBUM）
イサベル・C・エウヘニア
フェリペ2世とイサベル妃の娘。この作品も、作者ははっきりしていない。完成した年は1586年となっているが、ソフォニスバはその前に宮廷を離れている。しかし、この作品のスタイルは、正式な宮廷画家であるサンチェス・コエリョのものとも一致しない。（BRIDGEMAN）
フェリペ2世
ソフォニスバによる1565年の作品。（ALBUM/ORONOZ）
同じ女性（？）の肖像画
「白貂（しろてん）の毛皮をまとう貴婦人」。1577～1579年頃。作者はソフォニスバまたはアロンソ・サンチェス・コエリョ。（ALBUM/ORONOZ）
同じ女性（？）の肖像画
カタリーナ・ミカエラ王女。1584年。 作者はソフォニスバまたはアロンソ・サンチェス・コエリョ。（ARTEFACT/ALAMY）
ソフォニスバの肖像画。1624年にソフォニスバを訪ねたアンソニー・ヴァン・ダイクが後に描いたもの。（NATIONAL TRUST PHOTOGRAPHIC LIBRARY/BRIDGEMAN）
ヴァン・ダイクが、1624年にソフォニスバに会った時のことを書き記したスケッチブック。（THE TRUSTEES OF THE BRITISH MUSEUM/SCALA, FLORENCE）
シチリア島パレルモの大聖堂。1625年、ソフォニスバはこの街で生涯を閉じた。文化と宗教の中心地であるパレルモは、1700年代初期までスペインに支配されていた。（ANTONINO BARTUCCIO/FOTOTECA 9X12）
