• 米コーネル大学の研究チームは、この半透明の素材に触れた手の影をカメラで撮影し、その映像をコンピューターで情報に変換することで、触覚を“ 感じる” 仕組みを開発した。これをロボットに組み込む研究が進む。(PHOTOGRAPH BY LYNN JOHNSON)

  • 本能的な反応
    1950年代、育児の権威は赤ちゃんを抱っこしすぎないよう、親に諭していた。米ウィスコンシン大学の心理学者ハリー・ハーロー率いるチームは当時、この主張の誤りを証明するために、赤ちゃんザルを母親から引き離し、やや残酷な実験をした。母親を模した2種類の針金細工のうち、むき出しの方だけがミルクを提供する。しかし、赤ちゃんは大抵それに背を向けて、柔らかい布でくるまれた方にしがみついた。(PHOTOGRAPH BY AL FENN, LIFE PICTURE COLLECTION/ SHUTTERSTOCK)

  • 体からのシグナル
    陸上中距離の米国代表ベン・ブランケンシップが、カイロプラクティックの療法士ジョン・ボールの施術を受け、痛みに耐える。ボールは手で施術しながら、筋肉と骨の状態を察知する。「体の組織と触覚から届くフィードバックをうまく生かすのが、私のやり方です」と彼は話す。「触覚が鋭いほど、刺激できる受容器が多くあり、その部位と脳の間では、より多くの情報が飛び交います」(PHOTOGRAPH BY LYNN JOHNSON)

  • 肌のぬくもり
    インド・ニューデリーのサフダルジャング病院で、母親が休んでいる間、おばのニールジャ・クマリが生まれたばかりの双子を抱く。母親か母親代わりの人が新生児を素肌に密着させて抱く「カンガルーケア」は、特に発展途上国では、低出生体重児の健康を守る方法として知られている。この病院とアフリカの4カ所の病院で行われた最近の調査によると、このケアは、新生児の状態が安定してから1日数時間行うよりも、生後すぐに始め、ほぼ1日中行う方が効果的だ。調査を取りまとめた世界保健機関(WHO)の研究者は、このケアで年間15万人の新生児の命を救えると推定している。(PHOTOGRAPH BY SAUMYA KHANDELWAL)

  • 感じる義手
    皮膚に何かが触れると、ごく単純な刺激でも非常に複雑な信号が脳に送られる。それを工学的に模倣する試みは始まったばかりだ。写真の義手が持っているのは、米ジョンズ・ホプキンス大学の応用物理学研究所で研究が進む「電子皮膚」。圧力に反応する素材を重ね合わせたもので、これを装着した義手が何かに触れると、その情報が脳で触覚として認識される。(PHOTOGRAPH BY MARK THIESSEN)

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