南部にあるシエラ・デ・アンドゥハル自然公園の木立から姿を現したスペインオオヤマネコ。「イベリアの至宝」とも呼ばれ、イベリア半島南部に点在する低木地帯に生息し、五つのグループに分断されている。（PHOTOGRAPH BY SERGIO MARIJUÁN）

首都マドリードとアンダルシア州を結ぶ幹線道路の下をくぐるスペインオオヤマネコ。縄張り内を安全に移動できるように設置されたアンダーパスだ。スペインオオヤマネコは民家やオリーブ農園など、人間のいる場所にも上手に適応してきた。（PHOTOGRAPH BY SERGIO MARIJUÁN）

放棄された農園で、ウサギの死骸で遊ぶ子たちを、母親のオドリナ（右奥）が見守る。2017年にここで生まれたオドリナは、子育てをするために、この場所に戻ってきた。人間のつくった環境を利用する適応力が、スペインオオヤマネコにあることを示す一例だ。（PHOTOGRAPH BY SERGIO MARIJUÁN）

シエラ・モレナ山脈東部のウサギの調査地域に侵入しようとする、ミルブスという名のスペインオオヤマネコ。フェンスにはこの後、オオヤマネコが入らないように電流が通された。成獣のスペインオオヤマネコが生きていくためには、毎日ウサギを1匹食べる必要がある。子育て中の母親なら3匹必要だ。（PHOTOGRAPH BY SERGIO MARIJUÁN）

1990年代、この地域では感染症によってウサギがほぼ姿を消し、スペインオオヤマネコも激減した。保護活動家たちは、シエラ・デ・アンドゥハル自然公園の近くにあるブドウ畑のような、ウサギが害獣となる場所でウサギを捕獲し、スペインオオヤマネコの生息地に移す取り組みを行っている。（PHOTOGRAPH BY SERGIO MARIJUÁN）