1860年に奴隷を密輸し、川に沈められた「米国最後の奴隷船」クロティルダ号。最新調査が実施され新たな遺物が発掘された。考古学者らは、クロティルダ号最後の航海で奴隷として連れてこられた人々に関する重要な情報が得られることを期待している。
文＝JORDAN SALAMA／訳＝北村京子
ギャラリー：川に沈んだ米国最後の奴隷船、DNAは見つかるか 写真と地図7点
クロティルダ号船尾の木材。完全に乾く前に水中に戻すため、検査、計測、記録は手早く行われる。（PHOTOGRAPH BY DANIEL FIORE, ALABAMA HISTORICAL COMMISSION）
2022年5月、モービル川のクロティルダ号沈没現場付近で写真に収まる、同船の生存者の子孫バーネッタ・ヘンソンさん（左）とエメット・ルイスさん（右）。「先祖のカジョー・ルイスに似ていると、よく言われます」とルイスさんは言う。「父がカジョーについて話していたり、祖父がカジョーに育てられたという話を聞いたりすることに、プライドを感じます。わたしもカジョーに育てられたような気がしています」（PHOTOGRAPHS BY ELIAS WILLIAMS）
クロティルダ号の生存者の子孫であるワンダ・パトリス・ヘンダーソンさん（左）とパトリシア・フレイジャーさん（右）。「わたしは働き、学校へ行きました。そして引退した今、自分の歴史から学びたいと思っています」とフレイジャーさんは言う。「自分がどこから来たのかを知りたいのです」（PHOTOGRAPHS BY ELIAS WILLIAMS）
クロティルダ号の船体の板材を調べ、木材の強度を確認する保存修復の担当者。（PHOTOGRAPH BY DANIEL FIORE, ALABAMA HISTORICAL COMMISSION）
沈んだ船から取り除く枯れ木を赤い枠で示したソナー画像。（PHOTOGRAPH BY DANIEL FIORE, ALABAMA HISTORICAL COMMISSION）
クロティルダ号沈没現場に沈む太陽。今後の調査から、生存者についての重要な情報が明らかになっていくだろう。（PHOTOGRAPH BY BEN DEPP）
