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スイス、チューリヒ
チューリヒ動物園では、2013年、園内にあるマソアラ熱帯雨林の10周年を記念して、木のてっぺんまで上れる階段を設けた。来園者はここに暮らす生き物を見つけ、自らもジャングルの一部になったかのように感じることができる。2本の鋼鉄製のタワーから成り、いずれもつる植物や着生植物で覆われている。大きい方のタワーの中央には、カポックの木が育っている。(PHOTOGRAPH BY DOMINIK GEHL, NATIONAL GEOGRAPHIC YOUR SHOT)
「階段」と聞いて、何を思い浮かべるだろう?
上るのが大変だなあと思うくらいで、日常生活で気にかけることは少ないかもしれない。
だが、階段は建築の中でも最古の創作の一つであり、その起源は3000~4000年前にさかのぼる。古代の階段は、起伏の多い地形を越えていく戦略上の道となり、地上と天を結んでいると信じる人たちもいた。
また、昔から芸術家やデザイナーたちは、階段を単なる機能的なものを超えた存在へと変貌させてきた。空へと上るらせん、大胆な設計、古典的な装飾によって、階段は人目を引くシンボルや印象的な芸術作品になり、それ自体が観光の目的にもなったものもある。
ナショナル ジオグラフィックの写真コミュニティー「Your Shot(英語サイト)」のメンバーたちが、世界各地の階段の感動的な美しさを写真に収めてくれた。あなたもコミュニティーに加わり、思い入れのある場所の写真をシェアしてほしい。
文=Starlight Williams/訳=高野夏美