新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界を覆う中、今も働く人がいる。これまでもずっと必要不可欠な存在だったが、私たちはようやく気がついた。危機に際して私たちは彼らに依存していること、そして彼らが命を危険にさらして働いていることに。街から人がいなくなり、多くの不要不急の仕事が停止したなかで、生きるのに不可欠な人々の顔が、ようやく見えてきたのだ。

 写真家の仕事も極めて重要だ。普段の生活で出会うことのない人々を、私たちに見せてくれる。ケニアのナイロビで夜に消毒を行う人や、フランスのノルマンディーの暗い道でごみを収集する人たちの姿だ。南アフリカでは、貧困地域の電気系統を修理する労働者が、ブラジルでは、食料品を顧客に配達する店主が、写真家の目をとらえた。英国ロンドンでは、医師が長時間勤務の後にコロナウイルスについて調べ、フランスのパリの郊外では、棺の工場の労働者が、普段の倍の数の棺を生産していた。

 必要不可欠な仕事は、どのような人々によって成り立っているのか。私たちの見方は、どう変わるだろうか? 新型コロナウイルスが世界に与えている影響を、ナショナル ジオグラフィックと写真家集団マグナム・フォトの写真家たちが紹介する。

文=RACHEL HARTIGAN SHEA/訳=牧野建志

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