カバイロシジミ属のザーシーズ・ブルー。羽を広げた長さは約3センチ。約80年前に米国サンフランシスコ近郊で目撃されたのが最後だ。それは、研究者が恐れる昆虫大絶滅の予兆かもしれない。(PRESERVED SPECIMEN PHOTOGRAPHED AT CALIFORNIA ACADEMY OF SCIENCES)
エクアドルのアマゾン川流域にある調査拠点で、照明を当てたシーツに集まる多くの昆虫たち。だが、もう少し開けた場所では、こうした仕掛けや車のフロントガラスに張り付く虫の数はぐっと減る。気候変動、生息地の消失、農薬の使用といった要因が関係している。(PHOTOGRAPHED AT IYARINA STATION AT GOMATAON)
こんなに減った ドイツのクレーフェルト昆虫学会が採集した飛翔昆虫。同じ場所、同じ仕掛けで、左が1994年8月、右は2016年8月に集めたものだ。ドイツ国内の保護区63カ所で収集した同様のデータを分析したところ、1989年から2016年の間に飛翔昆虫の総重量が76%も減少していた。(PHOTOGRAPHED AT ENTOMOLOGICAL SOCIETY OF KREFELD)
多様性豊かな昆虫たち 写真家のリトシュワガーが、米国アリゾナ州とテネシー州、エクアドルで撮った昆虫。分類上、昆虫綱には数百万種が属する。成体は脚が6本、体は三つの部位、硬い外骨格をもつという共通点があるが、それ以外の特徴は実にさまざま。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER)
ドイツのモーゼル川沿いを歩く、クレーフェルト昆虫学会の主任学芸員マルティン・ゾルグ。手にした瓶の中身は、「マレーズトラップ」と呼ばれる仕掛けで捕らえた飛翔昆虫だ。同学会では1980年代から、この方法による採集状況を記録している。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER)