• シバームの旧城壁都市、イエメン
    ハドラマウト地方にあるシバームは、16世紀の高層建築が立ち並ぶ都市。1930年代、英国の探検家フレヤ・スタークは、この泥の高層ビル街を「砂漠のマンハッタン」と呼んだ。シバームは2015年、内戦などの影響で危機遺産リストに追加された。(Photograph by George Steinmetz, Getty Images)

  • ナン・マドール、ミクロネシア連邦
    ナン・マドールは、ミクロネシア連邦のポンペイ島のそばにある100を超える小さな人工島群からなる遺跡。西暦1200年から1500年ごろに作られた石造りの宮殿、寺院、墓は、シャウテレウル王朝時代の太平洋の島嶼(とうしょ)文化を残している。マングローブの繁茂や高潮、石造建築の崩壊により、2016年に危機遺産リストに追加された。(PHOTOGRAPH BY PAUL CHESLEY, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

  • ジェンネの旧市街、マリ
    サハラ以南のアフリカ有数の古代都市ジェンネには、紀元前250年ごろから人が定住しはじめ、2000近くの泥でできた伝統的な建造物が残っている。イスラム様式の建物だけでなく、ジェンネ=ジェノ、ハンバーケトロ、カニアナ、トノンバという4つの遺跡からは、イスラム以前の都市構造についての手がかりが得られている。政情不安や古代の建設資材の劣化、都市化、浸食により、2016年に危機遺産リストに登録された。(PHOTOGRAPH BY DAMON WINTER, THE NEW YORK TIMES, REDUX)

  • ウィーン歴史地区、オーストリア
    ドナウ川のほとり、ウィーンにあるバロック式の城と庭園は、オーストリア・ハンガリー帝国の首都としての長くて豊かな歴史を象徴している。この街は、モーツァルトやベートーベン、シューベルトなどが活躍した「音楽の都」としても知られている。2017年、ウィーン歴史地区は高層ビルの建築計画をきっかけに、世界危機遺産に登録された。(Photograph by Getty Images)

  • エバーグレーズ国立公園、米国
    米フロリダ州の広大な亜熱帯湿地で鳥や爬虫類の聖地。絶滅の危機に瀕している20以上の貴重な種の生息地でもある。都市化や汚染、自然災害などの複合的な理由から、1993年に危機遺産リストに登録された。保全活動によって2007年に登録が解除されたが、汚染による環境悪化が続き、海洋生息地やそこに生息する種が大幅に失われていることから、2010年に再登録された。(PHOTOGRAPH BY KEITH LADZINSKI, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

  • オリーブとワインの地、パレスチナ自治区
    ナブルスとヘブロンの間に位置する中央高原地帯には、古代の棚田、農業用の塔、複雑な灌漑システムがあり、古代から農耕に使われてきた。現在もおこなわれている農法は、人類最古の農法のひとつと言われている。地域情勢が変化し続けていることから、2014年に危機遺産リストに登録された。ユネスコは、イスラエルが建設する西岸地区の分離壁によって「農民が何世紀も耕してきた自分たちの畑に行けなくなる可能性がある」と指摘している。(PHOTOGRAPH BY ERIC MARTIN, FIGAROPHOTO, REDUX)

  • ポトシ市街、ボリビア
    標高約4000メートルにある銀鉱都市ポトシは、16世紀には世界最大の産業都市だったと考えられており、スペイン植民地時代の主な銀の供給元だった。現在も採掘が続いている鉱山だけでなく、独特のアンデスバロック建築、精巧な水道システム、人造湖でも知られている。採掘作業による環境の悪化が続いていることが懸念され、2014年に危機遺産リストに登録された。(PHOTOGRAPH BY KARL-HEINZ RAACH, LAIF, REDUX)

  • ビルンガ国立公園、コンゴ民主共和国
    アフリカ有数の火山帯にあるビルンガ国立公園には、さまざまな鳥や爬虫類、カバ、そして世界的に絶滅の危機に瀕しているマウンテンゴリラが生息している。ビルンガ国立公園は、1994年に危機遺産リストに登録された。以来、20年余りの間にカバやゴリラの大量虐殺などが起きており、野生動物だけでなくそれを守るレンジャーたちも危険にさらされている。2018年4月には、6人のレンジャーが殺害される事件が起きた。レンジャーへの攻撃は、今年に入って3回目だった。(PHOTOGRAPH BY CHRIS SCHMID, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

  • アスキア墳墓、マリ
    1495年、ソンガイ帝国の皇帝アスキア・ムハンマドは、帝国の首都の豊かさと権力の象徴として、17メートルほどのピラミッド型建造物を建てた。ピラミッドだけでなく、2棟の平屋根のモスク、1つの墓地と広場がある。西アフリカのサヘル地域の泥建築技術を代表する建造物だ。紛争による破壊のおそれ、文化財の売買、修復作業の中断により、2004年に危機遺産リストに登録された。(PHOTOGRAPH BY LI JING XINHUA, EYEVINE, REDUX)

  • 海商都市リバプール、英国
    リバプールの歴史地区とドック群は、現代ドック(船の建造や荷役のための港湾施設)技術の先駆けとなった。18世紀と19世紀の世界的な交易都市の一つであり、奴隷取引にも大きく関わってきた。2012年に街並みを大幅に変更する再開発計画によって危機遺産リストに加えられた。(Photograph by Paul Thompson, Alamy Stock Photo)