アフリカ中部のガボンはマルミミゾウが最も多く生息する国で、その数は全体の3分の2に当たる約9万5000頭。象牙目当ての密猟と生息地喪失のため、生息数は20世紀中に8割減少した。（PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST）

ロペ国立公園内の草地で食事をするマルミミゾウ。サバンナと熱帯雨林が混在するこのガボン中部の面積約5000平方キロの国立公園は、生物多様性に富んでいる。1946年にガボンで初めて野生生物保護区に指定され、2002年に国立公園となった。（PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST）

ロペ国立公園でマメ科のデタリウム・マクロカルプムの果実に鼻を伸ばすマルミミゾウ。果実は最も栄養価の高い食料だ。ゾウは果実を消化し、種子の発芽を早めることによって、こうした木々の拡散を助けている。（PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST）

森のごちそう
ロペ国立公園で採集されたさまざまな果実や種子。これらはマルミミゾウだけでなく、ゴリラやチンパンジーにとっても貴重な食料だ。（PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST）

1. フクギ科の一種（Pentadesma grandifolia ）2. カンラン科の一種（Dacryodes buettneri ）3. レモン（Citrus limonum）4. ナンバンサイカチ属の一種（Cassia mannii）5. ウアパカ属の一種（Uapaca guineensis）6. ヤマヒハツ属の一種（Antidesma vogelianum）7. アオイ科の一種（Duboscia macrocarpa）8. ネムノキ科の一種（Pentaclethra macrophylla）9. ウルシ科の一種（Trichoscypha acuminata）10. アカネ科の一種（Nauclea latifolia ）11. マチン属の一種（Strychnos congolana）12. アカネ科の一種（Nauclea diderrichii ）13. フミリア科の一種（Sacoglottis gabonensis）14. アカテツ科の一種（Omphalocarpum procerum）

雌のマルミミゾウがやせ衰えた姿は、この手つかずの森でさえ気候変動に脅かされている証拠かもしれない。研究者たちは、気温の上昇と降水量の減少が、ロペの森の果実を激減させていると考えている。果実の不足により、ゾウたちは必要な栄養を取ることが難しくなっているようだ。（PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST）