月曜日の最後の観光客がノートルダム大聖堂を去ってほどなく、有名な尖塔から煙が出始め、パリの真ん中にたたずむ中世の名建築がたちまち火に包まれた。

 ナショナル ジオグラフィックは1915年から、この世界的に有名な建築物を写真に収めてきた。以後、800周年記念のときや、ゴシック建築の詳しい解説も含めて、大聖堂のさまざまな写真が誌面を飾ってきた。(参考記事:「ギャラリー:荘厳で華麗 世界の聖地を彩る38の宗教建築」

 尖塔はすでに崩落し、木造の内装の多くは燃えてしまったと言われる。だが、被害がどのぐらいまで及ぶのかはまだわからない。火事の数日前、数億円規模の改修工事の一環として、大聖堂を囲む銅製の構造物16個が移動されていた。900年近くの歴史を誇り、年間1300万人を魅了する世界の遺産は改修工事中だった。(参考記事:「収蔵品の約9割を消失、火災のブラジル国立博物館」

「中世の暗黒時代の終わりを祝うように、人々の手と寄付、そして何より心がノートルダム大聖堂を作りあげた」。1968年の「ナショナル ジオグラフィック」誌にはこう書かれている。「時代の状況によって、パリは大聖堂を敬愛し、無視し、傷つけ汚し、改修し尊重してきた。ノートルダム大聖堂は教会として、楽しい場所として、芸術作品として生き続けている」

文=Nina Strochlic/訳=ナショナル ジオグラフィック日本版

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